【なつぞら】坂場一久(中川大志さん)は嫌なやつ?登場シーンをまとめました
監督見習いとして東洋動画に入ったのが坂場一久(さかばかずひさ)です。第12週より登場しました。イケメンの俳優さんが演じるということで、なつと結婚するという噂もあるようです。
坂場一久はスタジオジブリの高畑勲監督がモデルとなっているようですが、演じるのは、中川大志さんです。朝ドラは「おひさま」以来の出演だそうです。
アニメの知識は豊富ですが、要領が悪いのが坂場一久の特徴です。アニメーターに無理難題を押し付けるような人物。なつたちからしたら、やっかいですね。
NHKのなつぞら公式ページでは次のように紹介されています。
東洋動画所属の監督見習い。絵が描けない分だけ、アニメーションへの思い入れは人一倍強く、企画力に優れ、思いもよらないストーリーを考えつく。その一方で頑固なところもあり、アニメーターたちを困らせる。
https://www.nhk.or.jp/natsuzora/cast/index.html
どちらかというとアニメーターの敵といった感じですね。おそらく、なつとはぶつかるキャラクターだと思いますよね。
坂場一久がカメラマンに怒られる
坂場一久が初登場したのが第70話です。なんとカメラマンに怒られるというシーンでした。
このとき、「わんぱく牛若丸」の制作が始まったばかりで、ライブアクションという俳優が演技をして、その動きをアニメーターが参考にする資料を作る撮影を行っていました。
仕切っていたのは露木でしたが、カチンコを打ったのが坂場一久でした。
(露木)よ~いスタート!
(かすれたチンコの音)
(カメラマン)ちょっと待った!おいてめえ、ちゃんとカチンコぐらいたたけよ!
(坂場)すみません…
(露木)悪いね、うちの助手こういうの慣れてない…
(カメラマン)カチンコの音で芝居が決まるんだからよ!
(露木)よし、もう一回いこう
(坂場)もう一度やらせて下さい
このあと、ナレーションが入りました。「なつ、この不器用な青年は一体何者だろう。なぜか私も気になります」不器用な助手ということだけがわかった回でした。
次の第71話で、またカチンコをうまくできない坂場はみんなから笑われてしまいました。その場にいたなつもついクスクスと笑ってしまいました。
さらに第72話では、なつとモモッチが坂場と川村屋で偶然会います。そのときも坂場は食べていたカリーパンを読んでいた本に落とすという不器用さを見せました。
なつぞら第70話のあらすじと感想(2019年6月20日放送)
坂場一久となつの出会い
第71話は新人見習いの坂場が中心の回となりました。坂場はなつたちのところに来ます。そして、なつが描いた牛若丸と馬が崖を降りるシーンがおかしいと言い出したのでした。
無理難題を言うとされている坂場一久。さっそく、なつとぶつかります。これが坂場となつの出会いとなりました。
(坂場)この動画はこれでいいんでしょうか?
(下山)えっ?あっ君か
(坂場)これなんですが…
(なつが坂場を見る)
(なつ)あっカチンコ君…
(下山)これどうかした?
(坂場)これでいいんですか?この動画の動きはおかしくないですか?
(下山)おかしい?うん?う~ん…おかしいかな?
いきなり、下山に動画がおかしいと言った坂場でしたが、下山はそうでもないというような反応でした。その絵はなつが描いた動画でした。
なつと坂場がちょっともめてしまいます。なつも負けませでしたが、新人の坂場も引きません。
(なつ)あっそれ私が描いた動画ですか?
(坂場)うんそうだよ
(なつ)何かおかしいですか?
(坂場)おかしくないですかと僕が聞いてるんです
(下山)君が答えていいよ
(なつ)えっ…はい。あのこれは、馬が崖を下っていくシーンです
(坂場)それは分かります。牛若丸が馬に乗る訓練をしてるところですよね
(なつ)そです。ものすごい崖なんで加速して地面が迫ってきます。だから牛若丸も馬も怖がりながら走ってるんです。そんでこういう表情になるんです
(坂場)あっいやあのそこが分からないんです。怖がっているなら、なぜ体が前につんのめってるんですか?怖がっているなら体を後ろにのけぞらそうとしませんか?
(なつ)いやそれでは速く走っているように見えないじゃないですか
(坂場)どうしてですか?速く走っているから怖がるんですよね?
(なつ)そです。だからそれを表情で表してるんです
(坂場)表情で説明していればそれで済むんですか?
(なつ)はっ?あ…表情は説明なんかじゃありませんよ!アニメーターにとってキャラクターの表情は大事な表現なんです
(坂場)表現?
(なつ)そです。見て下さい。馬が崖を下っていく動きに合わせて牛若丸や馬の顔が伸びたり縮んだりしてますよね?こういうのをアニメーションでは…
(坂場)ストレッチアンドスクオッシュですか?
(なつ)えっ…
(坂場)ディズニーの原則ですよね
(なつ)そです
(坂場)そういう表現は動きにリアリティーがなければただの説明になりませんか?
(なつ)それは分かってます
(坂場)だったらどうしてこういう動きになるんですか?
(なつ)牛若丸の性格です!
(坂場)性格?
(なつ)この牛若丸はわんぱくなんです。だから怖くても後ろに引かないんです
(坂場)なるほど。危ないからやめろと周りの人に言われても一歩も引かず見ていろと崖を下ってゆく、それが後に鵯越の逆落としにつながるということを想像させる場面ですからね
(なつ)何を言ってるんですか?
(坂場)牛若丸が前のめりになるのは性格描写として分かることにしましょう。けど馬はどうですか?馬は怖がりませんか?
(なつ)何で…
(坂場)そうは思いませんか?
(なつ)あっ思います…あっ…かもしれません
(下山)分かった!君の言いたいことはよ~く分かった。しかしそれは演出の露木さんの意見なのか?それとも君の意見?
(坂場)露木さんも同じことを疑問に思ってました。けど僕が初めにそう思ったので聞きに来たんです
(下山)あ…そうか、分かった。直すよ
(なつ)えっ?
(下山)直すって露木さんに伝えといてくれない?
(坂場)それじゃよろしくお願いします
(なつ)あの…ちょっと待って下さい!
(坂場)はい…
(なつ)リアリティーって何ですか?アニメーションのリアリティーって実際の人間や動物の動きをそっくりおんなじに描くっていうことですか?それで子どもは楽しいんでしょうか?アニメーションにしかできない動きをしたりするから楽しいんじゃないでしょうか?
(坂場)アニメーションにしかできない表現ということですか?
(なつ)はい、そです!子どもが見てワクワクドキドキするような
(坂場)子どもが見るものだからリアリティーは無視してもいいということですか?
(なつ)いえそんなことは言ってません!
(坂場)僕には実際まだ分かってないんです。皆さんのやろうとしていることが
(なつ)えっ…
(下山)は?どういうことかな?
(坂場)現実的な世界のリアリティーを追求しようとしているのか、それともおっしゃるとおり、アニメ―ションにしかできない表現をしようとしているのか、どこに向かってるのか分かってないんです。すみません、新人なもので、これからも教えて下さい
(下山)あっ君、えっと…
(坂場)坂場一久です、失礼しました
このような激しい言い合いがあったのです。坂場の言っていることは正しいと仲も言います。なんでこんなに坂場が鋭いのか、そして理屈っぽいのか、それをなつはモモッチから聞くことになります。
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坂場は東大出身だった
なつは坂場と言い合ったあと、モヤモヤして外にパンを持って出ていきます。そこでモモッチと会いました。
(なつ)今年の新入社員で演出助手の坂場って人、知ってる?
(桃代)ああ東大出身の
(なつ)東大?
(桃代)哲学を専攻してたって
(なつ)哲学?
(桃代)そういう情報は仕上課にすぐ回るから、その人がどうかしたの?
(なつ)う~ん…そんな人に生意気なこと言っちゃった…
(なつ)でもすっごく変な人だった
モモッチは仕上課で、すでに坂場の情報を入手していました。なんと坂場は東大卒だったのです。頭がよく、だから理屈っぽかったのだとわかったシーンでした。
さらに坂場の情報を仕入れたモモッチはこんな話をします。
(桃代)イッキュウさんのお父様って大学教授らしいわよ
(なつ)ふ~ん、そうなんだ
(桃代)結婚しても肩凝りそうじゃない?
(なつ)うん…
坂場のお父さんは大学教授だということもわかりました。いい家柄の息子だということですね。そして、自分も東大ですからね。頭もいいのです。
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上司の露木は坂場を認めている
アニメーターにはあまり印象がよくなかった坂場でしたが、製作課の上司である露木は坂場にやさしく接しました。
(露木)おどうだった?
(坂場)描きなおしてくれるそうです
(露木)えっ本当か?もめなかったのか?
(坂場)別に大丈夫でした
(露木)よくプライドの高い絵描きたちを納得させたな
(坂場)分からなかったんで聞いただけです
東大卒のエリートということで露木も気を遣っている部分があるのかもしれませんよね。
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なぜ坂場一久はアニメーションの世界に入ったのか
どうして坂場がアニメーションを選んだのか。川村屋で偶然に坂場と会ったなつは聞いてみました。
(なつ)あのどうしてアニメーションを選んだんですか?
(坂場)どうして?
(なつ)映画が好きなら普通の映画だってあるし、絵を描かないのにどうして漫画映画を作ろうって思ったんですか?
(坂場)思ったんです。アニメーションは子どもに夢を与えるだけのものではなく、大人にも夢を与えるものだと思ったからです
(なつ)大人の夢…ですか?
(坂場)フランスのアニメーションでアンデルセンの童話を原作にして戦争を描いたものがありました
(なつ)戦争を?
(坂場)ナチスドイツを思わせる独裁的な力から人々が解放されて自由になる話を子どもが見てもワクワクドキドキするようなアニメーションの語り口を使って描いたんです。そんなことのできる表現方法はほかにないと思いました。しかし残念ながらそういう可能性がアニメーションにあるとはまだ世の中には思われていないようです
(なつ)それじゃ…アニメーションにしかできない表現って何ですか?坂場さんは何だと思いますか?
(坂場)アニメーションにしかできない表現?そうですね。自分の考えしか言えませんが…
(なつ)はい
(坂場)それは…
ここまで言いかけたところにちょうどマダムがやってきて、なつは呼ばれて行ってしまいました。でも、坂場はちゃんと考えてアニメーションの世界に入ったんですね。やりたい方向性が見えている人だということがわかりました。
このへんはなつたちアニメーターとは少し違っているのかもしれません。この会話を通して、なつは坂場のことを悪い人だと思わなくなったような気はします。
でも後日、階段で坂場に会ったなつは話の続きを聞こうとします。すると、やっぱり坂場は嫌なやつだなと思うのでした。
(なつ)昨日はすいませんでした
(坂場)そのすいませんというのは何を指して言ってるんですか?
(なつ)川村屋で話の途中でいなくなってしまったことです
(坂場)ああ…それは構いません。偶然会っただけですから、偶然またいなくなることもあるでしょう
(なつ)モモッチと一緒にバターカリー食べたんですか?
(坂場)いえ、私はすぐに帰りました。それじゃ
(なつ)あっいえ、あのちょっと待って下さい!昨日の続き教えて下さい
(坂場)続きというのは?
(なつ)話の続きです、アニメーションにしかできない表現とは何か、坂場さんの考えを聞こうとしてました。聞かせて下さい
(坂場)それは…やはりあなたが自分で考えて下さい
(なつ)えっ?
(坂場)それをいつか私に教えて下さい。それがきっとアニメーターに対する敬意だと思います。あなたが本当のアニメーターならば、失礼します
こう言われたなつは「やなやつ、やなやつ」と言いながら自分の机に戻っていきました。
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坂場となつの関係が恋に発展!?
第75話では事件が起こりました。坂場となつが急接近した場面です。それは階段でのこと。なつは坂場に指摘された馬の絵で悩んでしました。そしてまた階段に。そこに坂場がやってきます。
(なつ)あっ
(坂場)また馬ですか?
(なつ)馬です
(坂場)まだ馬を描いてるんですか?
(なつ)まだ馬です
(坂場)もしお役に立つなら
(なつ)えっ?
(坂場)私が馬になってここを駆け下りましょうか?
(なつ)大丈夫です…
(坂場)そうですか?
(なつ)もしそれを見てしまったら当分馬を描く度に笑って手が震えそうですから、一人でなんとか頑張ります
坂場もやさしいところがあるなと思えたシーンでしたが、問題はこの後です。なつが立った瞬間、階段から落ちそうになったのでした。
(なつ)うわ~!
(なつが階段から落ちそうになり腕をグルグル回す)
(坂場がなつの手を取る)
(坂場)大丈夫?
(なつ)大丈夫…
第75回はここで二人が顔を見つめるシーンで終わったのでした。この続きが気になった私たち。これは恋の始まりかと思ったのですが、そうはなりませんでした。
(坂場)か…勘違いしないで下さい
(なつがさらに腕を回す)
(坂場)ん?何ですか…
(なつ)これ!これ!これ!これ!これ!これ!これ!これ!これ!これ!
なつはこの腕の動きで、悩んでいた馬の絵のイメージがわいてきたのでした。
このあと、なつは前足が4本ある馬の絵を描きます。それを見た露木は怒ってしまうのですが、作画課の社員みんなに説得されて、その絵で行くことになりました。
その時の露木を見ていた坂場は、なつの方を見て馬の前足のような真似をして微笑みました。
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なつは坂場のことをどう思っているのか
川村屋で坂場と会ったモモッチとなつが話しました。そのときはなつが雪次郎のことで途中で帰ってしまったのでした。
(桃代)急にあの人…あの坂場さんと2人にされてどうしようかと思ったわ
(なつ)モモッチ、坂場さんのこと嫌いになった?
(桃代)いや、そんなことないわよ。なっちゃんはどうなの?
(なつ)いや…私はちょっと苦手かな。話してると知らないうちに自分が崖っぷちに追い詰められてる気がする
(桃代)ああ…分かる。ねえだけどもしかして…その崖から落ちた時…恋に落ちてたりするかもよ?
(なつ)何言ってんの?そんなことあるわけないっしょ!
(桃代)そう?
(なつ)うん
なつはまだそこまで坂場を恋愛対象として意識していないようです。逆にモモッチはどうなのかも気になるところです。
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坂場がアニメーションにしかできない表現を教える
なんだからパッとしない坂場でしたが、カッコいい時がありました。それは前からなつが気になっていたアニメーションにしかできない表現について話したときです。
二人はまた階段で会います。話しかけたのは坂場でした。
(坂場)考えてますか?
(なつ)えっ?
(坂場)アニメーションにしかできない表現は見つかりましたか?
(なつ)そんな…そう簡単には見つかりませんよ
(坂場)そうですか…あの馬の足は偶然でしたか
(なつ)だったらそっちから言って下さいよ。前に言いかけたじゃないですか!最後まで言って下さい
(坂場)僕の考えでいいんですか?
(なつ)それが聞きたかったんです、ずっと
(坂場)それは…ありえないことも本当のように描くことです。違う言い方をするならば、ありえないことのように見せて本当を描くこと
(なつ)ありえないことのように見せて本当を描くこと?
(坂場)そう思います
(なつ)うん、そうか…ありえないことも本当のように描くこと、ありえないことのように見せて本当を描くこと、どんなにありえないことも本当らしく見せる動きがある。大きなうそから真実を描き出す。それをできるのはアニメーションしかない!
(坂場)ふに落ちましたか?
(なつ)はい、落ちました!
坂場にはあまりよい印象を持っていなかったなつでしたが、この答えには納得がいったようです。さすが東大出身だけあって頭はいいんですよね。
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坂場は「カチンコ君」から「いっきゅうさん」へ
坂場は前にカチンコがうまく打てなかったことから、なつや麻子からカチンコ君と呼ばれていまいた。それをやめようと言いだしたのが下山です。
(麻子)カチンコ君…
(下山)マコちゃん、その呼び方はもう古い、やめてあげよう。彼のことはイッキュウさんって呼んであげよう
(なつ)イッキュウさん?
(下山)うん。坂場一久でしょう?一に久しいでイッキュウ、どう?
(坂場)なぜ普通に呼ばれてはいけないんですか?
(下山)いやだって普通だと普通じゃない
カチンコ君はなんだか、欠点を取ったあだ名みたいでかわいそうでした。なので「いっきゅうさん」の方が坂場もうれしいんじゃないでしょうか。
麻子と坂場が一緒に短編映画を作る
第79話では新たな展開が見られました。なつと麻子が短編映画の原画を担当することになったのです。しかも企画からやらなければいけません。
この二人と一緒に短編映画の制作に演出部から参加したのが坂場でした。さっそく、3人でどんな映画を作るのかを話し合うのですが、坂場がさっそく「らしさ」を出します。
(なつ)どうしましょう?
(麻子)そうね。何か一から話を考えた方がいいのか原作を立てた方がしいのか…
(坂場)原作がある方がいいんじゃないですか?時間もないですし。今の僕たちに求められているのは話を作る能力ではなくて話を表現する能力だと思うんです
(なつ)話の表現か…そですね!じゃ何やります?
(麻子)だからそれをこれから考えるんでしょ
(坂場)そうと決まればここで話し合っていても無駄じゃありませんか?まずは各自でやりたいものを見つけてそれから話し合った方が早いです。まずは明日までに、では早速失礼します
こう言い残して、坂場は言ってしまいまいた。麻子はちょっと気に入らなかったようです。
(麻子)一人で決めちゃって…あの人とうまくやってく自信あるの?
(なつ)大丈夫ですよ、マコさんともやってきたじゃないですか
(麻子)そうね…うん?
(なつ)とにかく考えましょう!頑張りましょう!
坂場はマイペース。麻子も気が強いですからね。麻子と坂場がぶつかることもありそうな気がしますが、その間になつが入る形になるんでしょうか。
なつはその後、妹の千遥が北海道の柴田家に現れたことで、一週間ほど休みを取りました。その間、坂場と麻子で話し合いをしましたが、二人の意見がかみ合わずに結局なつが来るのを待つことになりました。
なつは夕見子のアイディアで「ヘンゼルとグレーテル」を提案しました。二人ともそれで納得したのですが、ここでも坂場と麻子はぶつかります。
(坂場)テーマさえ明確にあればあとはどう面白くするか。そのアイデアを出すだけになりますから
(麻子)ちょっと待って、やっぱり脚本作らないつもり?
(なつ)えっ?
(坂場)脚本を作らないとは言っていません。脚本家を立てないと言ってるんです
(なつ)えっどういうことですか?
(麻子)そこが考え方の違いなのよ。私は話を重視して企画を決めたいのに、この人はテーマがあれば話はいらないって言うの
(坂場)いらないとは言っていません。最初から決める必要はないと言っているんです
結局は、坂場の言うとおり、脚本なしで進めることになります。
坂場がなつの家に来る
短編映画をなつと一緒に作ることになった坂場は、ヘンゼルとグレーテルのストーリーを考えていました。あるとき、突然、坂場は風車にやってきます。なつにストーリーの相談をしに来たのでした。
(坂場)ちょっと相談があってここに来ました
(なつ)はあ…
(坂場)おでん屋さんに下宿をしてると聞いたもので、お邪魔しても差し支えないかと…今企画書を書いてるんです
(なつ)あっいやあのここじゃなんですから…
なつの部屋で話をすることにしたのですが、坂場を待たせてなつは急いで部屋を片付けました。なつとしても意識している部分があったのでしょうか。
(なつ)どうぞ
(坂場)失礼します
(なつ)私も今考えてたとこなんです。すぐに絵を描ける場所の方が話しやすいですから。あの…
(坂場)あっ…はい
(なつ)あっ…あっ今お茶でも…!
(坂場)結構です、お構いなく、すぐにおいとましますから
(なつ)じゃ座って下さい、適当に
坂場はなつの部屋に貼ってあった千遥の写真を見つけました。そして、なつは千遥の話とヘンゼルとグレーテルの話の関係を説明します。
(坂場)もしかして子どもの頃に生き別れになったという妹さんですか?
(なつ)はい、その妹が急に現れて、まあ事情があって会うことはできませんでした。そのかわりに手紙とこの絵を残してくれました
(坂場)妹さんも絵を描くんですか?
(なつ)そうだったんです…絵は私たち兄妹にとってヘンゼルとグレーテルが落としていったパンだとある人に言われました
(坂場)パン?
(なつ)帰り道を残すための道しるべなんです
(坂場)それで「ヘンゼルとグレーテル」をやろうと思ったんですね
(なつ)そうです。それで相談したいことというのは?
(坂場)ああ…あらすじです
(なつ)あらすじ?
(坂場)はい、兄のヘンゼルが魔女に食べられそうになっていて、魔女はおいしい食べ物をたくさんヘンゼルに与え太らせようとします。それを妹のグレーテルが手伝わされていて。最後に魔女をかまどに突き飛ばして焼き殺します。ヘンゼルを助けるために
(なつ)はい
(坂場)それでいいんでしょうか?
(なつ)そうなんです!実は私も一番そこが引っ掛かってるんです。そんな残酷な結末を子どもに見せたくないんです
(坂場)それならどうしますか?
(なつ)例えば…魔女を殺さずに逃げたらどうなるんでしょうか?
(坂場)逃げる?きょうだいで逃げるわけですね、魔女の家から
(なつ)そうです
(坂場)それを魔女が追ってきたらどうなりますか?逃げても逃げても追ってくる魔女…魔女とは子どもたちの自由や未来を奪うような社会の理不尽さみたいなものの象徴です逃げても逃げても追ってくる社会の理不尽、それとどう戦うか…
(坂場が急いでノートに書こうとする)
(なつ)あっ…
(なつが鉛筆を渡す)
(坂場)すいません
(坂場は「社会の理不尽」とメモする)
(坂場)今、君の話を聞いて確信しました。これは君が作るべき作品です
(なつ)えっ…
(坂場)そのために僕が必ずこの企画を通します。うん…失礼します
坂場はなつと話したことで、この企画を通すという気持ちが強くなったようでした。その通り、短編映画では、ヘンゼルとグレーテルをやることになりました。
坂場となつは徹夜で一緒に仕事をする
なつがヘンゼルとグレーテルの森のイメージを描いていました。夜遅くまで描いていたなつは寝てしまったのです。そこで夢を見ます。それはなつが前に十勝の森で遭難したときに、弥市郎に助けてもらった夢でした。弥市郎に抱きかかえられたのですが、弥市郎は次の瞬間、坂場に変わっていました。
ちょうどそのとき、机で寝ていたなつを坂場が起こします。
(坂場)どうしました?
(なつ)ええっ!?あっいやあの
(坂場)うなされてたようなので具合でも悪いのか
(なつ)あっ大丈夫です、ちょっと変な夢見ただけです
(坂場)夢?
(なつ)あっ…その夢で何か思いついたんです!
(坂場)何を思いついたんですか?
(なつ)魔法です!
(坂場)魔法?
(なつ)魔女が魔法で森にある一本の木を怪物に変えたらどうでしょうか!?その怪物がヘンゼルとグレーテルを守るんですよ!悪魔のオオカミたちをやっつけるんです!
(坂場)その怪物って何なんですか?
(なつ)えっ何って?
(坂場)いや…魔女が魔法をかけただけですか?
(なつ)いやあの…その怪物が魔女なんです!
(坂場)魔女の魂が森の木に宿ったんです!
(坂場)なるほど森と魔女が一体化したのか
(なつ)その木に守られたら森を味方につけたことになりませんか?
(坂場)あなたを信じましょう
(なつ)描いてみます
そして、なつは絵を描いて、坂場に見せます。
(なつ)こういうのどうでしょう?
(坂場)うん…うん…いいと思います。もっと描けますか?
(なつ)はい…
二人は朝まで一緒に仕事をしたのでした。次の日の朝、二人はみんなにストーリーを説明し、なつのアイディアをもとに進めることになりました。
それにしても、だんだんなつと坂場のなつの距離が近づいたことを印象付けるシーンでした。なつが坂場に絵を見せるとき、二人の顔の距離が近づいて、なつは坂場を意識するような表情を見せたのです。
なつぞら第88話のあらすじと感想(2019年7月11日放送)
「ヘンゼルとグレーテル」をめぐって仲や井戸原との戦い
ヘンゼルとグレーテルの結末は、なつや神地の意見をもとに、どんどん変えて行ってしまいました。それを見た井戸原は、これは社会風刺だと言いだしました。坂場は井戸原と仲と話します。
(井戸原)いくら勉強のための短編だからってね、いつか劇場公開されることを前提に作ってもらわなければ困るよ
(坂場)分かってます
(井戸原)じゃこの物語に社会風刺の意図は入ってないって言うんだね?
(坂場)もちろん、そのために作ってるわけじゃありません
(井戸原)魔女の上にわざわざ悪魔を出して、悪魔と魔女…これはアメリカと日本の関係を表してるんじゃないだろうね
(坂場)見る側がどう受け止めるかは自由じゃないでしょうか?
(仲)もちろん自由なんだけど、純粋に子どもが楽しめるものにしてほしいだけなんだよ
(坂場)その考え方はもう古いんじゃないでしょうか
(仲)古い?
(下山)おいイッキュウさん…
(坂場)その考え方はもう古いんじゃないでしょうか、漫画映画は子どもが見るものだと決めつける考え方です、これからの漫画映画は大人のためにも作るべきだと思います
(仲)僕はそうは思わない、漫画映画はあくまで子どものために作るべきだと思うよ
(坂場)それじゃその子どもが大人になったらどうなりますか?同じ漫画映画を見て、懐かしいと思うほかに改めて面白いと感じることはあるでしょうか?
(仲)あると思うな、子どもの時に面白いと感じたのならその感性は大人になっても必ず残ってるはずだよ、そうやって夢や希望を残してやることが漫画映画の使命なんじゃないのかな
(坂場)おもちゃとしての夢ならそれでもいいでしょ
(井戸原)おもちゃ?
(坂場)子どもの頃には分からなかったことが大人になって初めて分かることもある、そういう漫画映画が生まれなければ、子どものおもちゃとしていずれは廃れていくだけじゃないでしょうか
(仲)廃れる…?
(坂場)僕は漫画映画をほかの映画と比べても遜色ないくらい、いやそれ以上に作品としての質を高めていかなければ未来に残らないと思うんです
(仲)分かったよ坂場君、だけどね、たとえそこにどんな意味があろうと、純粋に子どもが楽しめる漫画映画にしてくれるんだろうね?それができなければいくら高い理想を掲げたってつまらない漫画映画だと言われるだけだよ
(坂場)それは…
(井戸原)それはそれができなければ、君は失格だ
(坂場)はい…
下山も困るような状況でしたが、仲も古いと言われて、ドキッとしたようではありました。
これは坂場が単純に自分のやりたいことを通そうとしているようにも見えますが、なつから千遥の話を聞いたときに、この企画を必ず通すと言ったからではないかとも思われます。
なつぞら第91話のあらすじと感想(2019年7月15日放送)
なつぞら第92話のあらすじと感想(2019年7月16日放送)
坂場がなつにプロポーズ
第92話では坂場がなつにプロポーズらしいことを言いました。坂場が仲の考えが古いといったことになつは怒ったのですが、坂場が折れることはなく、最終的にはプロポーズらしいことまで言うんですよね。
(なつ)どうして仲さんにそんなこと言ったんですか
(坂場)話の流れでつい言っただけです、言うつもりではなかった
(なつ)それじゃ本気で言ったわけじゃないということですか?
(坂場)いえ、うそを言ったつもりもないです
(なつ)仲さんの作る漫画映画が古いなんてよくも…どうしてそんなことが言えるんですか!
(坂場)作るものではなくて考え方が古いと言っただけです
(なつ)同じじゃないですか!
(坂場)まあ…そうですね
(なつ)は?
(坂場)あなたが怒るのはどうしてですか?
(なつ)え?
(坂場)仲さんを尊敬しているからですか?
(なつ)もちろんです、そのとおりです
(坂場)仲さんが描くものはすばらしいです、面白いしかわいい、子どもの心を捉えるし大人が見てもかわいい
(なつ)あなたにもかわいいと感じる心があるんですね
(坂場)かわいいものは大好きです
(なつ)真剣な顔で言わないで下さい
(坂場)しかし子どもはかわいいと感じるだけじゃない、面白いと思うだけでもない、もっといろんな感情を世界から受け取って生きているんです
(なつ)それはもちろんです…
(坂場)僕も子どもの頃空襲に遭いました、焼け跡を一人で家族を捜して歩き回りました、幸い親も生きていましたが、あの孤独と飢え死にしそうな絶望感を忘れることはありません、大人の冷たさを子どもの卑しさを嫌というほど見せつけられました、でも反対に見知らぬ人の愛も知ったんじゃないですか?そういう子どもの時の体験が今の僕やあなたを作っているんです…違いますか?
(なつ)だから何だと言うんですか?
(坂場)だから…仲さんたちとは違うものを作るのは僕らの使命です
ここまではまだ、なつも坂場の考え方を受け入れられてないような感じがしたのですが、ここからさらに坂場がストレートに言い始めました。
(坂場)あなたには仲さんたちとは違うアニメーターになってもらいたい
(なつ)どんなアニメーターですか?
(坂場)世界の表も裏も描けるような現実を超えた現実を見せられる、それを丸ごと子どもたちに体験させることのできるようなアニメーターです、僕もそういう演出家になりたいと思っています、一緒に作ってほしいんです
(なつ)一緒に…
(坂場)一生をかけてもあなたと作りたいんです
ここでナレーションが「なつよ、古い人間の私は腰が抜けたぞ」と入ります。つまり、これはプロポーズだったということなのでしょうか。なつも大きく目を見開いて、第92話は終わったのでした。
その後、第96話では、ヘンゼルとグレーテルの映画のアフレコが終わりました。そこで二人はこんな会話をします。
(なつ)イッキュウさん、仲さん何か言ってましたか?
(坂場)いや何も
(なつ)きっと大丈夫ですよね?
(坂場)あなたは大丈夫ですか?
(なつ)えっ?
(坂場)これで満足してますか?
(なつ)してません、もっとイッキュウさんと作りたいです
(坂場)それなら私と同じです
なつも坂場の考えなんだということでしょうね。そして、麻子が結婚するので辞めると言った時、「なっちゃんやイッキュウさんと比べると私には何か足りないような気がして、それが悔しくてね」と言っていました。なつと坂場には共通する何かがあるんですよね。
なつぞら第92話のあらすじと感想(2019年7月16日放送)
なつぞら第96話のあらすじと感想(2019年7月20日放送)
坂場と天陽の関係
第94話では坂場と天陽の関係が明らかになりました。接点があるわけではないのですが、天陽の兄の陽平がなつに教えたのでした。
(なつ)悩んでるなんてもんじゃありませんよ、イッキュウさんの言うことについていけなくて…あっこれ木の怪物を描いてるんですけど、樹齢が歩き方に見えないって言うんですよ
(陽平)アッハハ…彼らしいな、うちら美術に関してもうるさいからね
(なつ)自分が描かないから描く人の苦労は考えないんでしょうか
(陽平)そうじゃないと思うよ、人に苦労かけてる分、あれは相当勉強してると思うよ
(なつ)絵をですか?
(陽平)絵だけじゃないと思うけど、あっ天陽の絵も知ってたんだよ、イッキュウさんは
(なつ)えっ…本当ですか?
(陽平)うん、帯広で賞もらった時小さな美術雑誌に載ったんだけど、それを見たらしいんだ僕の弟かって聞かれて…すごくその絵に感動してくれてた
(なつ)ふ~ん…天陽君の絵をイッキュウさんが…!
(陽平)彼の演出力はまだよく分からないけど絵に対する貪欲さは絵描き以上かもしれない
このとき、なつは坂場にいろいろと絵の要望を言われて、イライラしているときだったのですが、このことを聞いて、なんだか落ち着いたようにも見えました。
面倒なところもあるのですが、漫画映画に向ける情熱が坂場はすごいんだと思ったシーンでした。
なつぞら第94話のあらすじと感想(2019年7月18日放送)
麻子からの仕返し
「ヘンゼルとグレーテル」の仕事が終わった後、みんなで出かけたことがありました。その時、バレーボールをやったのですが、坂場は下手でした。この時とばかりに麻子は坂場に仕返しします。
(堀内)はいはいはいイッキュウさん
(坂場)ああ!
(下山)ちょっとまあドンマイドンマイ!ドンマイ!
(坂場)やっぱり僕は抜けます
(下山)大丈夫だって
(麻子)ダメよ!できるまで何度でもやるの!
(坂場)無理です!
(麻子)あんたね、人にはさんざん何度も描かせといて自分は簡単に諦めるわけ!?
(茜)いやそんな真剣に怒らなくても
(麻子)何でも真剣にやらないと身につかないわよ
(なつ)とにかく頑張りましょう!
坂場は転んでしまったり、ボールが頭に当たったりと全然ダメでした。麻子は絵の時のお返しとばかりに、坂場が抜けることを許しませんでした。
そして、麻子がこの日、仕事をやめることを言い出しました。結婚するからやめることにしたのでした。このときは坂場がこんなことを言っています。
(坂場)あなたはいいアニメーターです。少なくとも日本にはあなたのようなアニメーターはまだそういないと思います
(麻子)ありがとう…そうやって冷静に言われるとかえってうれしい
坂場も麻子のことを認めていたようです。
なつぞら第96話のあらすじと感想(2019年7月20日放送)
坂場はなつと一緒にテレビ班に異動
第97話では坂場となつがテレビ班に移ることになりました。テレビは鉄腕アトムの人気が出ていて、東洋動画もテレビアニメを作ることになったのです。
ところが、坂場はそれが気に入りませんでした。あくまで坂場は、長編映画を作りたいという気持ちが強かったんですね。
(坂場)仲さんはあれをアニメーションだと認めていますか?
(仲)えっ?
(坂場)僕は少なくとも東洋動画らしいアニメーションの作り方だとは思えません。仲さんはどう思っていますか?
(仲)もちろんあれはフルアニメーションではないと思っているよ
(坂場)それを形だけ東洋動画がまねをして慣れてしまったら、日本のアニメーションはもうそこから後戻りができなくなるんじゃないでしょうか?
(井戸原)大げさだな相変わらず君は
(坂場)そうでしょうか?
(露木)いや坂場君の言ってることはまんざら大げさなことじゃないかもしれないよ。そういう時代が来るということは大いに考えられる。まあもう私の時代じゃなくなったということだけは確かだけどね、ハハハハハ…
(仲)もしそうだとしても、やる価値はあると僕は思ってるよ
(なつ)仲さんはそう思いますか?
(仲)アニメーションを見る子どもたちにとっては、フルアニメーションかとどうかなんて全く関係ないことだろ?面白いか面白くないかそれだけの違いだからね。坂場君はそう思わないか?
(坂場)分かりました
(仲)それにフルアニメーションのよさはこれからも長編映画で我々が守っていくつもりだよ
(井戸原)そう、だから君は安心してテレビに専念してくれたまえ
この会話で気になるのは、仲や井戸原と坂場の意見があまり合っていないことです。その傾向はこれからも強くなっていくのでした。
がっかりしていた坂場をなつが慰めます。
(なつ)イッキュウさん、どうしたんですか?
(坂場)僕はもう…漫画映画を作れないだろうな
(なつ)どうしてですか?
(坂場)露木さんのあとに次々と若手が演出に抜てきされてるのに、僕にはお呼びがかからない。僕たちの作った短編映画だっていまだにお蔵入りしたまま、長編映画の付録として劇場にかけられることもないだろ。僕に対する上層部の評価が低い証拠だ…というより僕が嫌われてるからですよ…
(なつ)仲さんは短編映画を褒めてくれたじゃないですか
(坂場)あの人は…本音を見せないからな。あの人が描く絵と同じように誰にでもいい顔していたんでしょう
(なつ)何をすねてるんですか!あなたらしくない…
(坂場)君のこともそれに巻き込んでしまったかもしれないんです
(なつ)えっ?
(坂場)それが悔しくて…1本くらいは君と長編漫画映画に挑戦してみたかった。この会社にいてもその可能性はもうないだろうな…
(なつ)そんなことまだ分かりませんよ!
(露木)そう、まだ分かりませんよ。君をテレビの演出にしたのは私だよ
(なつ)えっ露木さん…
(坂場)露木さんが?
(露木)うん。君は全く新しい環境で演出家になった方が伸び伸びできるんじゃないかなってそう思ったんだから。だからテレビに行ってもくさるな
(なつ)そうですよ。テレビでまた頑張ればいいじゃないですか!
(露木)そりゃ君は多くのアニメーターからは嫌われてるよ
(坂場)えっ?
(露木)そりゃあれだけ理屈で攻めたらもともと感性で動く芸術家肌のアニメーターたちから、そっぽを向かれたってこれはしかたのないことだ。それに労働組合の幹部なんかやってるから会社からだって煙たがられてる。君の味方はほぼいない、もうゼロだな…
(なつ)あのくさるなって言ってるんですよね?
(露木)そう。だからくさるな。くさったら負けだ。人に嫌われる勇気を持つことも演出家にとっては大事な資質なんだ。君は生まれながらにしてその資質ってもんが備わってる
(なつ)それは励ましですよね?
(露木)もちろん。新しい環境で自分を磨くチャンスだと思って頑張れ
(坂場)はい分かりました…
(露木が坂場の頭をたたく)
(露木)あほんだら、お前声ちっちゃいねん。自分も関西出身やったらな根性見せたらんかい
(なつ)えっ関西出身だったんですか?
(坂場)中学までは神戸にいたんです
坂場をテレビ班に行かせたのは露木だったようです。そして坂場は関西の神戸の出身であることもわかりました。そして、さらに露木が去り際にこんなことを言います。
(露木)あっなっちゃん。坂場のことを頼むな。内助の功でしっかり支えてやってくれ
(なつ)はい分かりました。えっ今何て言いました?
(露木)えっ?めちゃくちゃうわさになってるよ
(なつ)えっ?
(露木)ハハ…じゃお疲れ
(なつ)うわさって何ですか?えっ…ねえうわさって何だろう?
(坂場)さ…さあ…
(なつ)さあって、どうするの?そんなうわさ
(坂場)う…うわさなんて気にしなくても、い…いいでしょう…
2人の関係は周りが思うようには近づいていないようです
(坂場)では
(なつ)そうですか…
坂場は動揺してその場を去っていったのですが、あせりすぎて木にぶつかったりしていました。坂場はやっぱりなつを意識していたことは間違いないですね。
なつぞら第98話のあらすじと感想(2019年7月23日放送)
坂場となつがつき合っている?
坂場となつの関係はどうなっているのでしょうか。第103話ではこんな会話がありました。
(坂場)終わったなもうこれで
(なつ)何がですか?
(坂場)僕も君も、もう映画には戻れないということだ
(桃代)そうなの?
(なつ)そんなことまだ分からないでしょ
(坂場)それをわざわざ知らせるために仲さんと井戸原さんは僕たちを大杉社長に紹介したんですよ
(下山)いや…そりゃ考え過ぎだって、イッキュウさん
(坂場)僕が仲さんに嫌われていることは確かでしょう
(下山)まあ仮にそうだとしてもだ…
(茜)イッキュウさんはともかくとして、どうしてなっちゃんまで?映画じゃなくてテレビに追いやったってことでしょ?仲さんがそんなことするかしら。なっちゃんの才能を誰よりも買ってるのは仲さんなのに
(なつ)そんな才能なんてないですけど仲さんがそんなことするとは思えません。だって茜さんだって一緒だし
(坂場)茜さんはいずれは戻れることもあるでしょう
(なつ)どうして私はないんですか?
(坂場)君の場合は…
(桃代)あっ、イッキュウさんとつきあってるから?
(なつ)えっ?
(桃代)いずれ2人は結婚するって思われてるからってこと?
(なつ)ちょっと
(坂場)それはあくまでうわさですけどね
(なつ)それは無責任でしょう
(坂場)無責任?
(なつ)ただのうわさだと思うならどうして否定しないんですか?
(坂場)君はすればいいよ
(なつ)えっ?
(茜)ねえ実際はどうなのよ?2人はつきあってるんでしょ?
(なつ)違います、ね?
(坂場)はい
(なつ)はあ…どうしてそんなうわさが流れたのかな…
(桃代)だってイッキュウさんとなっちゃんほど馬が合ってる人いないでしょ?
(神地)確かに合ってる合ってる
(なつ)ねえもしかしてモモッチが仕上課で流してるんじゃないでしょうね?
(桃代)違うわよ、なかなか進展しないから最近は言ってないわよ
(なつ)最近って…!
まだ噂段階のようですね。この噂のもとはどうもモモッチだったようです。このときはまだしばらくは二人の恋は発展しないのかと思ったものでした。
だけど、この後、なつが風車に帰りながらこんなことを言っていまいた。
(なつ)全くあんなに煮えきらないやつだとは思わなかったわ…つきあってるのかつきあってないのかそのくらいはっきりしてよ…
これは実際は二人は付き合っているともとれるような話しぶりだったんですよね。なつにもその気があるような…。
なつぞら第103話のあらすじと感想(2019年7月29日放送)
坂場がなつにプロポーズ
いよいよこのときがやってきました。坂場がなつにプロポーズします。第104話での出来事でしたが、このときは実は茜と下山が結婚を発表した時でもありました。
坂場は長編映画の演出をすることになりました。それは下山が仲や井戸原に推薦したからでした。坂場はなつのところにやってきます。
(なつ)どうしたんですか?
(坂場)ちょっと…
(なつ)えっ?
(なつと坂場が階段の踊り場で話す)
(なつ)長編映画を?
(坂場)うん、下山さんが仲さんたちを説き伏せてくれたんです
(なつ)あそう…それはよかったですね
(坂場)もちろん君にもテレビを抜けて、こっちの原画に参加してもらいたいと思ってる
(なつ)うん…もし会社がそうしろと言うなら喜んで
(坂場)そ…そしてもし…もしこの長編映画を成功させたら…成功したら…僕の人生には…君が必要だということになります
(なつ)は?
(坂場)僕と…
(なつ)えっ…
(坂場)ぼ…僕と…僕と…僕と!結婚して下さい。結婚…してくれませんか?
ここで第103話は終わったんですよね。つまり、なつの返事はまだでした。第104話で、なつがプロポーズを受け入れることになりました。
(坂場)ぼ…僕の気持ちはずっと前から分かっていたでしょう…
(なつ)いや…全然分かりませんでした
(坂場)ずっと長編映画の演出ができたら言おうと思ってたんです
(なつ)えっ…
(坂場)あなたの気持ちはどうですか?
(なつ)はい…分かりました
(坂場)えっ?
(なつ)結婚します
(坂場)えっ…いや本当ですか?
(なつ)はい
(坂場)いや…結婚ですよ?
(なつ)えっ…何を疑ってるんですか?
(坂場)映画が成功したらですよ
(なつ)それ…いる?
意外とあっさりと「結婚します」となつが言いました。「なつぞら」ってこういうところはなぜかあっさりさせるんですよね。
でも、結婚が決まりましたね。おめでとうございます!
坂場は長編映画の成功に向けて頑張ることになりました。
なつぞら第104話のあらすじと感想(2019年7月30日放送)
なつぞら第105話のあらすじと感想(2019年7月31日放送)
坂場の家族は超エリート
なつが坂場と結婚するという話になり、第106話では二人が風車に行きます。まだ言うつもりはなかったのですが、亜矢美が結婚に気づきます。
亜矢美は坂場の家族のことを聞いたのでした。
(亜矢美)イッキュウさん、ご家族には?
(坂場)あ…まだ何も話していません
(亜矢美)そう…じゃそっちにも普通じゃない挨拶に行かないとね
(なつ)それだけど…私で大丈夫なのかな?
(坂場)何が?
(なつ)戦災孤児だった過去とか気にされないかなって…
(坂場)どんな過去だろうと大丈夫です。あなたがゴジラでも大丈夫ですよ
(なつ)それは地球がダメでしょ
(亜矢美)ハハハ…イッキュウさんだよ。そんなこと、ごちゃごちゃ言う親に育てられたような人じゃないっしょ
(なつ)だけど…
(坂場)そんな心配はしないで下さい
(亜矢美)で、お父様お母様、何なさってんの?
(坂場)父親は大学教授です。考古学を研究して教えています
(亜矢美)考古学?
(坂場)はい。母親は師範学校出の元教師で僕が生まれた時には専業主婦でした
(亜矢美)はあ…ごきょうだいは?
(坂場)兄が2人と姉が1人います。僕は末っ子です。2人の兄は医者と弁護士をしています。姉はやはり教師です
(なつ)すごい…
(亜矢美)咲太郎がふびんに思えてきたわ
(なつ)私まで怖くなってきました…ゴジラの方がまだ歓迎されそう
(坂場)いや…医者といっても今は田舎の診療所にいるし、弁護士といっても国選弁護人ばかりしているし、万が一お金持ちに思われたら困るんだけど、お金には全く縁のない家なんです。だけど僕は絶対君にふびんな思いはさせないから
(なつ)うん…
前にモモッチがお父さんは大学教授だと言っていたのですが、兄弟もすごい一家です。これに戦災孤児だったなつは、心配になりましたが、それも気遣う坂場はやさしいところがありますね。
天陽よりも坂場でよかったなって思いました。
なつぞら第106話のあらすじと感想(2019年8月1日放送)
坂場となつの別れ話
第105話でなつにプロポーズした坂場でしたが、なんと第107話では別れ話になりました。もちろん、ドラマでは2話ですが、その間にはいろいろあって、大きかったのが、坂場の監督した映画の失敗でした。
映画に失敗した責任を取って、坂場は退職願を出し、なつに会いました。
(坂場)映画がすごく不入りみたいだ
(なつ)うん…みたいだね
(坂場)でも悪い映画じゃないと思ってる。いい映画を作ったと僕は思ってるんだ、今でも
(なつ)私も本当に気に入ってるから。うん…今まで作った中で一番よ。私、思うだけど、大人の人にも見てもらえるように宣伝してくれたらいいのに…そう思わない?
(坂場)僕にはもう作れないんだ
(なつ)どうして?今度はあれよりももっとすごいものを作ればいいじゃない。私は絶対に作りたいけどな、また
(坂場)会社を辞めてきた。君を含めスタッフにはこれから待遇の面で迷惑をかけることになる。その責任を取らなくてはならない。たとえ会社に残ったとしてももう演出はできないだろう
(なつ)ねえもっとよく考えたら?仲さんや露木さんには相談したの?
(坂場)僕は終わった。もう終わったんだ
(店員)お待たせしました
(なつ)そう…
(坂場)だから結婚はできない。僕のことは忘れてくらないか
(なつ)どうして?仕事と結婚は別でしょ?
(坂場)僕は嫌なんだ…
(なつ)嫌?
(坂場)君の才能を誰よりも生かせる演出家になりたかった。今の僕はその資格を失ったんだ。結局、君を幸せにする才能なんて僕にはなかったということだ
(なつ)そっか…そういうことか…
(坂場)そういうことです…本当に申し訳ない
(なつ)おかしいと思った
(坂場)えっ?
(なつ)考えてみれば一度だってあなたに好きだと言われたことはなかったもんね。私の方はいつイッキュウさんのこと好き人なったんだろうって考えてたのね。一緒に短編映画作った時か…一生かけて一緒に作りたいって言ってくれた時か…まあその前にアニメーションにしかできない表現とは何かって話をしててイッキュウさんの言ったことにしびれたこととか…
(回想)
(坂場)ありえないことも本当のように描くことです。違う言い方をするならば、ありえないことのように見せて本当を描くことです。そう思います
(なつ)あれには本当に参った…それ以来、私はその言葉に恋をしたんです。ありえないことも本当のように描くこと…私の人生には本当にそんなことばかり起きてるから…戦争で孤児になって親を失って、両親とも離れてきょうだいとも離れたけど…ありえないようなすてきな家族に恵まれて、ありえないような自然の中で幸せに育って…上野で浮浪児をしてた時に一緒にいた信さんがある日また会いに来てくれて、それで行方不明だったお兄ちゃんにも会えたし…もうダメかと思った妹もありえないような幸運で、今はどこかで幸せに暮らしてるって信じていられるし…自分のわがままで北海道出て好きなアニメーターにもなれて、ありえないような楽しいことがいっぱいあって、だから…これ以上の幸せはないなって思ってたから…やっぱりこれ以上はありえなくても、文句は言えないけど、私は…私はあなたの才能を好きになったわけじゃありません!あなたの言葉を…生きる力を好きになったんです。あなたを好きになったの。ありえないくらい…だけどあなたは違った…好きじゃないことを才能のせいにしないで下さい。そんな人とは一緒にいたくない…さようなら
なつは「さようなら」と言い残して店を出ていきました。風車に帰ったなつは、部屋に閉じこもり、仕事にもいかずに泣いていたのです。
坂場はというと、下山や仲に退職を止められます。
(仲)君が一人で責任を負うことじゃないよ、これは
(下山)そうだよ。君が辞めるんだったら、作画監督の僕も辞めなくちゃならない。僕のためにも取り消してくれないか?
(仲)一緒に行こう
(坂場)いいんです、それより奥原さんは?
(下山)なっちゃん?なっちゃん今日まだ来てないみたい
(仲)みんな君のやりたいことについていったんだ。なっちゃんだって、僕だって…。完成した映画にも満足してるよ。あんな漫画映画見たことがない。そういうものが日本で作れたんだ。世界にだってあんな漫画映画まだないよ
(坂場)そんなことはどうだっていいんです!
(下山)なげやりになるなよ
(坂場)それよりも大事な…もっと大事なものを僕は失ったんです…
(下山)えっ?
(仲)坂場君…
仕事を辞めることよりも、なつに言われたことがショックだったんですね。
なつぞら第107話のあらすじと感想(2019年8月2日放送)
なつに再びプロポーズして結婚!
なつと一度は別れてしまったようになった坂場。なつの兄、咲太郎はそれが気に入らず、怒ってしまいます。そこに坂場がやってきました。そして再びプロポーズするのです。
(坂場)突然すみません
(咲太郎)何しに来たんだよ?
(坂場)謝りに来ました
(咲太郎)謝ってくれなくたっていいんだよ。たった今家族会議を開いてお前のことは忘れることになったんだ。どうぞお引き取り下さい
(亜矢美)咲太郎
(咲太郎)俺はやだからな!今更こいつを認めることはできないからな。仕事がないから結婚できないっつうのはてめえの都合しか考えてないやつの言うことなんだよ。一度は約束したなら、すぐに仕事を見つけるから結婚してくれってのが筋だろうが!
(坂場)おっしゃるとおりです
(咲太郎)分かったら帰れ。帰ってくれ!
(なつ)お兄ちゃん!
(咲太郎)黙ってろ!なつが悩む前に帰れって言ってんだよ
(坂場)なつさんに…許してもらおうとは思っていません
(咲太郎)何?
(坂場)昨日のことは許さなくてもいいんです。その上でもう一度話をさせてもらいたいんです
(咲太郎)回りくどいこと言ってんじゃねえよ!
(坂場)ゆうべ一晩あなたのことを思い、あなたを失う恐怖を感じました。それで分かったんです。あなたが今までどれほどの恐怖を味わってきたか、大切なものを失う怖さをどれほど味わってきたか、そのことを一晩考えました。あなたの気持ちになりたくて考えました。あなたに少しでも近づきたくて考えたんです。それで結局、たどり着いた答えは…あなたのことが…奥原なつのことが…僕は心の底から好きだということです。もう遅いかもしれないけど…心の底から言わせて下さい!あなたが好きです。あなたのことが大好きです!
(咲太郎)もう遅いんじゃないかな
(亜矢美)遅くない!まだ生きてるんだから、いっくら間違えたっていいの!
(咲太郎)母ちゃん…
(亜矢美)いっくら失敗したってへっちゃらだよね、なっちゃんは
(なつがうなずく)
(咲太郎)なつ…
(坂場)お兄さんどうか許して下さい!妹さんを、奥原なつさんを…僕に下さい!結婚することを許して下さい。奥原なつさんと結婚させて下さい!
(咲太郎)バカヤロー…。まずはなつの許しを取れ!
(坂場)どうか…結婚して下さい。もう一緒に漫画映画は作れないかもしれないけど、あなたの人生を作ります。一生かけて一緒に作ります
(なつ)うん…ありがとう
(坂場)必ず傑作にします
(咲太郎)普通でいいんだよ、普通で!気取ったこと言うな
(坂場)僕と結婚して下さい
(なつ)はい…喜んで
(咲太郎)なつを幸せにしろよ!不幸にしたら絶対に許さねえからな!覚えとけ
(坂場)はい
こうして咲太郎もなつと坂場の結婚を認めることになりました。やっぱり坂場は頭がいいだけあって、気の利いた事を言いますよね。
なつぞら第108話のあらすじと感想(2019年8月3日放送)
泰樹はなつと坂場の結婚を認めない?
結婚が決まった坂場となつは北海道に行きました。そこで結婚させてほしいと坂場が言ったのですが、泰樹はすんなり認めてくれませんでした。
ちょうど、坂場は仕事を辞めたときですから、そのあたりも泰樹が気にしたようです。
(坂場)初めまして、坂場一久と申します。よろしくお願いいたします
(富士子)それで?
(坂場)はい
(富士子)挨拶はそれだけですか?
(坂場)あっああ…あの…
(剛男)富士子ちゃん、こっちからせかさなくても…
(富士子)早くくつろいでもらいたいんだわ。早く家族になってもらいたいのさ
(照男)気が早いべさ、ばあちゃん
(富士子)ばあちゃんなんて言わないでや、他人の前で
(照男)今家族だって言ったばっかりだべ
(富士子)したからまだだべさ
(坂場)はい、分かりました、はい…
(なつ)別に無理して分からなくていいから。自分のタイミングでいいんだから
(夕見子)みんな知ってるんだからさ、もうイッキュウさんがここに何しに来たかを。形ばかりのことだべさ
(富士子)結婚は形が大事です
(夕見子)ちょ…結婚って先に答え言っちゃったんでないの
(富士子)あっ…
(坂場)あの私坂場一久はなつさんと結婚したいと思っております。どうかお許し下さい。あっ…お嬢さんを僕に下さい!
(富士子)えっ…そうなの?なつ
(なつ)えっ?
(砂良)形だけよ
(なつ)あ…はい、そういうこと
(富士子)そうですか…分かりました。ふつつかな娘ですが、どうかよろしくお願いいたします
(坂場)ああはい
(なつ)母さん、ありがとう
(夕見子)はいこれで済んだね
ここまでは順調でした。この後、泰樹が…
(泰樹)なつを本当に幸せにできるのか?
(坂場がすぐに返事をしない)
(泰樹)なしてすぐに返事できねえ!
(なつ)じいちゃん
(富士子)どしたの?
’(剛男)無理に違うことを言わなくていんですよ
(坂場)幸せにします、きっと…
(泰樹)きっとって何じゃ?
(坂場)あっ…
(なつ)まあ先のことは誰にも分からんでしょ
(泰樹)分からんから約束しとるんじゃ。そのきっとが引っ掛かる
(坂場)いやあの実は堂々と言えない事情がありまして…
(なつ)ねえそれはまだいいから
(泰樹)事情って何じゃ?
(坂場)会社を辞めたんです
(一同)えっ?
(坂場)今は無職なんです
(泰樹)男にとって結婚はけじめじゃ。仕事もなくてけじめがつけられるか
ちょっと雲行きが怪しくなってきましたよね。でも、ここで剛男が頑張ってくれました。剛男と言えば婿養子で泰樹には頭があがらなかったのですが、このときは泰樹を説得してくれたのです。
(泰樹)休んでる場合か。仕事見つけてここに来るのが筋だべ
(なつ)待ってじいちゃん!
(剛男)もうどうでもいいしょや、そったらことは!この人はなつが選んだ人ですよ!結婚望んでるのはほかでもない、なつだべさ!なつの選んだ結婚相手に文句があるっていうんですか?なつの見る目に狂いはないと私は信じてます!したってお義父さんの孫でないですか!
(泰樹)うう…
(夕見子)よし、よく言った父さん
(明美)私も父さんに賛成!
(照男)俺もだ。咲太郎さんも賛成してくれてるんだべ
(なつ)うん
(砂良)もちろん私も大賛成
(地平)僕も!
(富士子)何さ…一人だけいいこと言っちゃって
(剛男)すまん
(菊介)そこで謝るんかい、ハハハハハ…
泰樹も剛男の言葉に促されるように、坂場となつの結婚を認めました。
(なつ)じいちゃん…お願いします
(坂場)なつさんを必ず幸せにします。約束します
(泰樹)初めからそう言やいいべや
(坂場)はい…!
(なつ)ありがとう、じいちゃん!
ただ、そのあと、牛舎に行った坂場は牛飼いの仕事について難しいことを言ってしまいます。菊介にはまったく理解できずに、少し険悪なムードにもなりました。
それを見てたからか、泰樹は夕食のときにこんなことを言いました。
(泰樹)わしにもその銃貸せや。撃ちたいやつがおる
(なつ)じいちゃん
(泰樹)ハハハ…冗談だべ
弥市郎の銃で撃ちたい人がいると言う泰樹。坂場もこわばった表情をしましたが、冗談だと言われると、坂場も笑っていました。
なつぞら第109話のあらすじと感想(2019年8月5日放送)
なつと坂場の出会いはあまりよいものではありませんでしたね。いきなり言い合ってしまうのですから。
でも、なつぞらでは川村屋の野上や麻子のように、最初はなつの敵のような感じで登場しても、やがて味方になっていくようなことも多いです。
坂場となつもついに結婚することになりました。これからの坂場一久の出演シーンに注目してきたいと思います。
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