【なつぞら】大沢麻子(貫地谷しほりさん)はなつの天敵!?麻子の出演シーンをまとめました
朝ドラでは最初は最悪な出会い方をして、しばらくは敵のような存在だった人が、徐々に仲良くなって味方になるというのはよくありますよね。
「なつぞら」に登場する大沢麻子もその一人です。大沢麻子は貫地谷しほりさんが演じる優秀なアニメーターです。美大を卒業したエリート。それだけに、絵の勉強をしてこなかったなつとは正反対の部分があります。
NHKのなつぞら公式ページでは次のように大沢麻子を紹介しています。
美大を卒業後、東洋動画に入社したスゴ腕アニメーター。通称「マコ」。作画監督の仲をサポートし、現場をまとめる。クールに見えるが内面は熱く、誰に対しても物おじしない性格から、社内で孤立することも。
https://www.nhk.or.jp/natsuzora/cast/index.html
クールなところもなつとは違いますよね。東洋動画には欠かせない存在でもあります。
今回は麻子のこれまでの登場シーンを振り返りたいと思います。
大沢麻子となつの出会いは最悪
麻子となつの出会いは最悪でした。なつが下山とふざけているときに近くを通りかかったのが麻子でした。なつが後ろに下がった時に麻子にぶつかってしまうのです。
なつは東洋動画に入社したその日、来てもいいよと仲に言われて、作画課に行ったのでした。そこに前に会ったことのある下山がいたのです。
(なつ)下山さん!
(下山)えっ僕のこと覚えててくれたの?
(なつ)もちろんです、元警察官の!
(下山)あっそうそうそう。バン!バン!バン!
(なつ)えっ?
(下山)いや…バン!バン!バン!
(打たれた振りをすると後ろから来た麻子にぶつかる)
(なつ)ううっ!あっ
(麻子)ちょっと!
(なつ)ごめんなさい
麻子が最初になつに言った言葉はムッとした顔での「ちょっと!」だったのです。このあと、ナレーションでも「なつよ、まあ、あまり浮かれずに頑張りなさい」となりました。
なつは亜矢美の服を借りていることもあり、出で立ちも派手。それで麻子によい印象を与えるはずもありません。
なつはこの後、モモッチから、仕上課には会社に遊びに来ているような人が多いとも聞きます。その通りの印象を麻子は持ってしまったのだと思います。
このとき、まだなつは麻子が誰なのか知りません。次の第56話で、それが麻子だと知ります。
下山が気になった方はこちら!
【なつぞら】下山克己(麒麟・川島明)がなつの一番の味方!下山の出演シーンをまとめました
麻子が堀内の絵にダメだしする
第56話で、なつは麻子の仕事ぶりを見ることになります。それは動画を担当する堀内に指示を出す麻子の姿でした。麻子は原画を描き、堀内のような動画担当者に指示を出すセカンドというポジションでした。
(麻子)分かんない?できてるかできてないかじゃないんです。いいか悪いかなの!
(堀内)だから悪いならどこが悪いか言ってくれよ!こっちは指示どおりに描いてるだけなんだからさ
(麻子)その指示に従って、自分で考えるのが動画を描く人の役目でしょう。これじゃ何にも伝わってこないんです
(堀内)それはむしろ、原画の問題じゃないの?原画をこっちで直しちゃいけないのにこっちにばかり文句を言われても納得がいかないよ!
(麻子)その原画のキャラクターを捉えきれてないような気がするんです。分かんない?とにかくもう一度考えてみて。お願いします
(麻子がイライラしながら去る)
(下山)彼女も僕と同じセカンドのマコちゃん
このやり取りを近くで見ていたなつと下山。去っていった麻子を見ながら、下山はその人が麻子であることを教えてくれたのでした。
なつは仲や下山から絵の勉強のためにゴミ箱から絵を拾って描いてみるといいと言われます。それでゴミ箱の絵を見ているときも、麻子は嫌そうな顔をしました。
次の日も堀内と麻子はやり合います。麻子が気に入らないのは白蛇姫の話の白娘が泣くところの動画でした。
(麻子)やっぱりダメです。やり直して下さい
(堀内)だからどこがダメなの?
(麻子)表情が死んでるように思うんです
(堀内)表情?原画と同じように書いているつもりだよ
(麻子)だからダメなんじゃないですか?表情を変えずに泣き崩れたって何も伝わってこないんですよ
(堀内)だったらその表情を原画で描くべきだろ
(麻子)動画はただのつなぎじゃないでしょ?それじゃ面白くないでしょう?やってて面白いの?これは戦いに敗れた白娘が白蛇に戻ることを知って許仙を思って泣くシーンでしょ?それを思って動かしてよ!
(堀内)う~ん…
(麻子)もういい、ここ私がやる
(心配そうに見ていた仲や井戸原も麻子が通ると目をそらす)
(なつは驚いた表情をしていたが、堀内が捨てた絵を見る)
麻子は仕事でもイライラして、なつにもイライラしていたんですね。そのイライラがついに、なつに降りかかってきます。
麻子がなつに言いがかり
なつが帰ろうとして会社の外に出ます。そこで、堀内が描いて捨てた絵を見始めました。その後ろに麻子がいました。麻子が声を掛けます。
(麻子)何なの?あなた
(なつ)あっ…
(麻子)何しに来てんの?ここに。結婚相手でも探しに来てんの?
(なつ)えっ?
(麻子)そんなおしゃればっかり気い遣って
(なつ)あ、いやこれは…
(麻子)それしか考えてないんでしょ?会社の男はみんな自分のものみたいな顔しちゃって。将来の旦那に会いたいって気持ちがにじみ出てんのよ、その顔から!
(なつ)はあ!?
(麻子)男探しに来てるだけなら目障りだから、私の前うろちょろしないでちょうだい
(なつ)えっ…
(麻子が去っていく)
(なつ)はあ…何だべ、今の…ええ…
その日、なつはイライラして帰ります。たしかに服装は派手で誤解を与えてしまったわけですが、麻子が言っているような気持ちはまったくありませんでした。
風車に帰ったなつは堀内が描いた絵を自分なりに描いてみたのでした。なつは白娘の気持ちになってどうして泣くのだろうと考えながら描きました。これが思わぬ方向に行きます。
なつは麻子に対抗する姿勢を見せる
次の日、なつは派手な服はやめようと思ったのですが、亜矢美に押されてしまいます。亜矢美がなつの服を選んでいるときの会話です。
(なつ)派手です。おしゃれすぎます。ダメです!
(亜矢美)どうして?
(なつ)おしゃれは誤解されますから
(亜矢美)誤解?どんな?
(なつ)男の人の目を意識してるとか
(亜矢美)で認めるの?
(なつ)えっ認めません!
(亜矢美)じゃどうすんの?
(なつ)いっちゃって下さい!
こうして、なつはまた派手な服を着ていくことになりました。麻子と戦おうという姿勢です。この日、隣の席で仕事をするモモッチとも次のような会話をしています。
(桃代)しかしあなたの服の色も日に日に増していくのね
(なつ)はい、負けませんから
このまま次の麻子となつとの衝突があるのかと思いましたが、そうではありませんでした。
モモッチが気になった方はこちら!
【なつぞら】モモッチこと森田桃代(伊原六花さん)となつの会話をまとめました
麻子はアニメーションに大事なものを知っていた
ひどいことまで言われて麻子の存在が気になるなつは、昼休みに下山に尋ねました。麻子はどういう人なのかということです。返ってきたのは意外な言葉でした。下山は麻子の能力をよく理解していました。
(下山)何?
(なつ)下山さんから見て、大沢さんって怖いですか?
(下山)大沢って、ああうちのマコちゃん?
(なつ)はい
(下山)怖くないよ、ちっとも。熱心なだけで
(なつ)熱心ですか
(下山)うん。彼女はとにかく優秀だからね。美大を出てうちに入社してすぐ仲さんと井戸さんに認められてセカンドに抜てきされたんだ。その能力を知らない人からしたら怖く見えるのかもしれないけどね。ほら彼女にいつも怒られてる堀内君っているじゃない?まあ彼も芸大で油絵を描いていた秀才なんだけど、マコちゃんの言わんとしてることが分かってないんだよね。マコちゃんはアニメーションにとって一番大事なものを最初から感覚として分かってる人なんだ。
(なつ)それは何ですか?
(下山)命を吹き込むことだよ。あのね、アニメーションっていうのはラテン語で魂を意味する「アニマ」っていう言葉から来てるんだ。動かないものに魂を与えて動かす。つまり命を与えるっていうことなんだ。
(なつ)アニメーションって言葉がそういう意味だったんですね
(下山)どう動かせばどう見えるのかどう感じてもらえるのか。本気で命を吹き込もうと思えば悩まないアニメーターなんていないよ
(なつ)だから怒りもするんですね
なつはこの話を聞いて、麻子という人の見方が変わったのです。堀内に怒っている理由もよくわかったのでしょう。
そのころ、ちょうど麻子がなつのいる仕上課に用があって来ていました。そこで、なつが自分の机に置いていった絵を見つけるのです。そして、仕上課の富子と話します。
(麻子)トミさん何ですか?この動画
(富子)えっ?さあ知らないわ
(麻子)彩色の机よね
(富子)さっきまでここにいた奥原って新人の机よ。変わった服装してる子
(麻子)ああそういうことか。勝手に拾ったのね
なつの机だと知った麻子は、勝手にゴミ箱から持って行っただけだと思ったのでした。でも、本当はなつが家で描いたものだったのです。
そうとは知らずに麻子は持ち帰ります。なぜ持ち帰ったかと言うと、その絵が麻子の思っていたような出来だったからなんですよね。
なつの描いた絵とは知らずに麻子がほめる
昼休みから戻ったなつは、麻子が自分の絵を持って行ったと知ります。急いで作画課に行きました。
麻子は井戸原になつの絵を見せます。そして堀内にも見せます。麻子は興奮気味に話しました。
(麻子)堀内君!堀内君ちょっと
(堀内)何ですか?
(麻子)これあなたが描いたのよね?
(堀内)は?
(麻子)前に描いてあの箱に捨てたもんでしょ?
(堀内)どうしてこれが?
(麻子)どうも仕上の子が拾ってったみたいなのよ
(堀内)ど…どうして仕上が?
(麻子)知らないそんなことまでは。でもどうして捨てたの?これ。いいと思う私は、これすごくいいと思う!ただ中割できれいに動きをつなぐだけが動画の仕事じゃないんだもの。こんなふうにしていいのよ。泣く直前に一瞬何かを振り向いてまだ戦う目をしながら泣き伏せる。これよ。これが中割に入ることで見る人に自娘の気持ちの伝わり方が全然違うでしょ!この強くて恨みがましい目が入ることで蛇に戻りかけた白娘の悲しみが際立つじゃない。戦いに敗れてもまだ納得がいかず許仙は自分のものだと言いたげに。何より許仙に会いたいという気持ちがにじみ出てる、この顔から!あれ…前に誰かに同じようなこと言ったような気がするけど…ま、いいか。この顔が泣くからより一層白娘の絶望が伝わってくるのよ。私が言いたかったのはこういうこと。ただのきれいな中割は動きを正確に見せるためには必要なことだけど感情表現においてはただの記号にしかならないこともある。それ分かってたんじゃない堀内君も。これはただの遊びで描いただけかもしれないけど、私はこれをずっと望んでた!
麻子がこういうと、堀内が否定します。
(堀内)僕じゃないよ
(麻子)ん?
(堀内)僕が描いたんじゃない。僕はこんな稚拙な絵は描かないよ。だってこれラフでしょ?ラフでもこんな絵は描かない!こんな絵を描いたと思われたら心外だよ!
(麻子)じゃ誰が描いたの?
ここでなつが「すいません…それは私が描きました」と言います。
(麻子)どうして描いたの?
(なつ)すいません!人に見せるつもりで描いたんじゃないんです。勉強のために勝手にここから拾って描きました。絵をなぞっているうちにそうしてみたくなったんです
(麻子)だからどうしてそうしてみたくなったの?どうして?白娘の気持ちになっているうちにそうなったんです。あ…私高校の演劇部で偶然白蛇の化身を演じたことがあるんです。その時に自分の経験から想像して自分の魂を動かして演じなくちゃいけないと先生から教わったんです。だからその顔は、自分はただ許仙が好きなだけなのに。それを周りからどうして悪く思われなきゃいけないのか。そういう怒りが自然と湧いてきたんです。白娘はただ許仙が好きなだけですよね?本当は誰も傷つけたくはないし…
(なつ)もう分かったわよ!勝手に勉強してたってことでしょ
その様子を見ていた井戸原は、その絵を堀内にクリーンナップするように言います。そして「それでいいよね」と麻子に言います。麻子もうなずきました。
この一件があって、仲と井戸原はなつにアニメーターいなるための試験を受けさせようとなったのです。
麻子のなつに対する誤解がとけた
アニメーターになる試験を受けることが決まって、なつは勉強します。作画課のゴミ箱から絵を拾う姿は麻子も見ていました。
そんなある日、二人が会話をします。それは麻子がなつにひどいことを言った場所と同じでした。
(麻子)アニメーターになりたかったのね。
(なつ)あ…はい
(麻子)早く言ってよ。恥かいたじゃない
(なつ)えっ?
(麻子)あなたに…恥ずかしいこと言ったでしょ?ここで。男の人に会いたい気持ちがにじみ出てんのよとか何とか…
(なつ)けど、私の白娘にもおんなじこと言ってくれました。にじみ出てるって、あん時はうれしかったです
(麻子)そんなおしゃれなんかしてるからいけないのよ
(なつ)いやマコさんだって十分おしゃれじゃないですか!
(麻子)あなたのおしゃれと一緒にしないで
(なつ)あ…そうですよね、美大出てるんですもね。十勝農業高校の私とは違いますもね
(麻子)ハハハ、ハッ…自慢してるみたい
(なつ)えっ?
(麻子)あなた自分が田舎者だってことに自信持ってるでしょ
(なつ)どんな自信ですか?それって
(麻子)ハハハハ…うちの試験受けんだって?
(なつ)はい、あ、それもマコさんのおかげです
(麻子)あの絵で?あなたには無理よ
(麻子が行ってしまう)
(なつ)何だべ…油断大敵…
麻子が笑ったのははじめて見ました。でも、まだトゲトゲしています。よく見ると、なつがアニメーターになろうとして作画課に行っていたことはわかったと伝えただけですね。なつをアニメーターとして認めたわけではなかったようです。
やがてなつの絵もちゃんと評価してくれるんですけどね。
第60話、アニメーターの試験でなつは不合格になってしまいました。仲と井戸原から試験結果を聞いたなつは、部屋を出るときに、麻子が三村茜に仕事を教えているところが映ります。三村茜はなつと同じ試験を受けて合格したのでした。
茜が気になった方はこちら!
【なつぞら】三村茜(渡辺麻友・まゆゆ)の出演シーンをまとめました
なつの絵を見た麻子は推薦する
なつは試験に落ちてから、毎日きれいな線を描く練習をしていました。ある日、なつは仲に自分の描いた動画を見てほしいと持ってきます。仲はそれを麻子に渡しました。
(仲)マコちゃん
(麻子)はい
(仲)ちょっとこれ見てくれる?
(麻子)何ですか?これ
(仲)奥原なつの描いた動画だよ。一人で練習してたらしい
(麻子)仕上げの仕事しながらですか?
(仲)うん、そうだよ。見てくれって今朝僕のところに持ってきたんだ
(麻子)こんなに…
(仲)とにかく描くのが早くてね、あの子は。これ君が見てくれないか
(麻子)えっ…どうして私に?
(仲)何たって君は奥原なつの才能に最初に気づいた人かもしれないんだからね
(麻子)あれは才能なんでしょうか?
(仲)まあ正直言って僕にも分からないよ
(麻子)えっ?
(仲)君の意見を聞かせてほしい。頼んだよ
麻子はその動画を見ます。そして、作画課に行き、富子の意見を聞いたのでした。
(麻子)あっトミさん
(富子)あっマコちゃん、まだ仕事?
(麻子)ちょっと聞きたいんですけど…奥原なつって優秀ですか?
(富子)優秀?…とは言えないわね。入って1年もたってないし、彩色の仕事は丁寧なんだけど、とにかく遅いのよ
(麻子)遅い?動画だととにかく早いって話だったけど…
(富子)えっ?何かあるの?
(麻子)あの子ただの素人なのか、それとも天才なのか…どっちなんでしょう?
(富子)何かあるの?
(麻子)どっちだと思います?
ここで富子がどう答えたかはわかりませんが、麻子は答えを出しました。その後、なつはまたテストを受けることになりました。
なつぞら第64話のあらすじと感想(2019年6月13日放送)
第65話ではなつが再び試験を受けます。その結果は合格でした。なつはアニメーターになることができたのです。このとき、仲はこう言いました。
(仲)合格だ。マコちゃんもね、君のことを推していたよ
(なつ)えつ…
(仲)君の動画を見てくれたんだ。お礼を言っておきなさい
そしてなつは麻子のところにやってきます。
(麻子)何?
(なつ)ありがとうございました。奥原なつです。これからこちらでお世話になります。どうかよろしくお願いします!
(麻子)よかったわね。じゃ頑張んなさいよ
(なつ)はい
この後、下山をはじめ、作画課の社員みんなが拍手します。そのとき、麻子も笑顔で拍手をしていました。ようやくなつと麻子が和解したような場面でした。
なつぞら第65話のあらすじと感想(2019年6月14日放送)
麻子のなつへの厳しさは変わらず
なつの動画を認めた麻子でしたが、それで二人が仲良くなったわけではありません。麻子はクールですからね。なつが相談しようとしても…
(なつ)あっ、マコさんマコさんも参加しますよね?
(麻子)するわよ、どうして?
(なつ)あっいえ、それじゃ誰にも相談できないですね。困りました。いきなりキャラクターを考えろと言われても…
(麻子)あなた期待されてると思ってるの?
(なつ)思ってません
(麻子)なら楽でいいじゃない
そして、大杉社長が来た時になつが茜に愚痴を言っているのを聞いた麻子は…
(麻子)辞めろって言わせなきゃいいんじゃないの?
(なつ)え?マコさん…
(麻子)会社から辞めないでくれって引き止められるようなアニメーターになればいいんじゃないだったら。まだ何にもできないのに文句ばっかり言ってないで
(なつ)はい!そうですよね…
(麻子)期待してないけど
(なつ)はい…失礼しました!
なんか棘がある言い方をするのが麻子なんですよね。「期待していない」というフレーズが今は気に入っているようです。たぶん、これからもこの二人は仲良くはならないでしょうね。
なつぞら第66話のあらすじと感想(2019年6月15日放送)
麻子となつの直接対決
なつと麻子が対決した時があります。それは「わんぱく牛若丸」のキャラクター検討会でした。好きな登場人物の絵を描いていくことになりました。
なつは常盤御前の絵を描いていきます。なんと麻子も同じ常盤御前の絵を描いてきたのです。どちらがいいかという話になります。なつは富士子を思いながら描いた母性を感じる絵、麻子は強さとしたたかさを表した怖い顔の絵で、二人の絵は対照的でした。
(仲)牛若丸の母親という点では僕はこの絵に一番母性を感じるんだけどな
(なつ)えっ…!
(井戸原)それはまた仲ちゃんのなっちゃんびいきなんじゃないのかい?
(仲)ひいきで作品は決めないよ、一つの意見
(堀内)しかし常盤御前がただの母親でいいんでしょうか?常盤御前は再会を願って会いに来た牛若丸を冷たく突き放しますよね?それで絶望する牛若丸が前半の山場になる。最初からいい母親みたいな顔していたら、牛若丸が絶望しても客は感情移入しないんじゃないですか?
(井戸原)う~ん、それはあるな…最初は常盤御前を悪者のように描いた方が見る人に衝撃を与えることになる
(井戸原)その点では僕はこの表情にひかれるんだけどね
(茜)あれもしかして堀内さんが描いたんですか?
(堀内)違うよ
(井戸原)これ誰が描いたの?
(麻子)私です
(下山)やっぱり絵には描く人間が出ますね
(麻子)どういう意味ですか?
(下山)えっいや…女性の内面はやっぱり女性が鋭く捉えてるなっていう意味ですけど…
(仲)う~ん、なっちゃんとマコちゃんの対決か…マコちゃんは何でこうしようと思ったの?
(麻子)常盤は初め、その美貌と知性で1000人の女の中から選ばれ、侍女のような身分で召し抱えられたにすぎませんでした。そこから源義朝の側室に上り詰めたんです。常盤御前はしたたかで強い女性なんです
(仲)う~ん…なっちゃんはどう思うの?
(なつ)私は…そんな怖い顔の母親を子どもに見せたくありません
(麻子)は…?
(なつ)いや子どもだっていろいろ考えながら見ると思うんです。ただ怖いだけの母親見せられて、後で優しくなってもそれじゃ納得できないんじゃないですか?
(麻子)顔が怖いからって根っから優しくない人だと思わないわよ、子どもだって
(なつ)そでしょうか?子どもにはどんなに怒られた時でも母親の愛情は伝わると思うんです
(麻子)何の話をしてるの?あなた
(なつ)えっ…漫画映画は子どもが見るものです。子どもが夢を見るように見るものだと思うんです
(仲)まあ、確かにこっちの常盤御前もこっちの常盤御前も内面的には両方あるはずなんだよ
(井戸原)そう、結局2人とも中途半端ってことだろうな。一面的で人物の奥行きが感じられないってことだろう
(なつ)はい…
(麻子)はい…
なつが麻子の絵を否定した場面でした。これについては後でなつは生意気なことを言ったと謝ります。二人はこれで仲が悪くなることもありませんでした。それは仲のおかげでもあります。
仲は二人の絵を合わせた常盤御前の絵を描いて二人に見せました。
(仲)2人の絵を合わせてちょっと描いてみたんだけど、こんなのでどうかな?
(なつ)すごい…どうしたらこんな絵が描けるんだろう…
(仲)なっちゃんは誰かを思い浮かべて常盤御前を描いたの?
(なつ)あ…はい、北海道にいる母を…
(仲)うんやっぱりお母さんか…お母さんを描くのが悪いわけじゃないんだけど、自分の母親には優しさばかりを求めてしまいがちだからね。お母さんだって一人の女性だし、内面にはもっと怒りや苦しみ悲しみだとか、子どもが見たくないものだっていっぱい持ってるはずだろ?
(なつ)はい…私は子どもの気持ちばかり考えて常盤御前のことを考えてなかったかもしれません
(麻子)私は生い立ちだとか理屈ばかり考えてました
(仲)どれも大事なことだよ。それになっちゃんの悩みは正しいと思うよ。子どもが見て本当だと思ってくれるような絵を僕らは探し続けていかなきゃいけないんだから、子どもの力を侮ったらそれで終わりだ。
(なつ)子どもの力…
(仲)ね、マコちゃん
(麻子)もちろんです
(なつ)あのマコさん…さっきはすいませんでした、生意気なこと言って
(麻子)だから謝らなくていいのよ。口に出したことは仕事で責任取るしかないのよ、私たちは
(なつ)仕事で?
(麻子)じゃないと本当に認めるなんてできないでしょ
(仲)仕事で認め合うしかないのがアニメーターのつらいとこだ。なっちゃんはもうアニメーターなんだから
(なつ)はい
仲がすぐに対応したのが素晴らしかったんですよね。なつと麻子はよいライバルになるかもしれません。二人とも考えが違うので、よいものが生まれるのかもしれませんよね。
なつぞら第69話のあらすじと感想(2019年6月19日放送)
「わんぱく牛若丸」でなつと麻子は同じ下山班に入る
「わんぱく牛若丸」の制作が始まると、なつと麻子は同じ下山班に入りました。麻子はちょっと嫌だったようですが…
(下山)え~これがうちのチームです
(なつ)下山班…ですね
(下山)まあ僕が原画だからそう呼ばれることになる。全体的な作画は仲さんと井戸さんに見てもらうわけだけど、うちに来たカットは責任を持って僕たちでいいものにしよう、ね
(なつ)はい!頑張りましょう!
(麻子)一番下っ端のあんたが鼓舞してどうすんのよ
(なつ)いやすいません…自分に言っただけです
(麻子)何かこのチーム、私には嫌みに感じるんですけど
(なつ)どういう意味ですか?
(麻子)相性が悪いって意味でしょ、何で分かんないのよ!
実はこのチームにはそのほかに茜と堀内もいました。「白蛇姫」のときに堀内と激しくぶつかっていたのも麻子でした。
麻子が漫画映画の世界を目指した理由
下山でランチに行ったときに、麻子が漫画映画をやろうとしたきっかけを話しました、
(堀内)で、マコちゃんは好きで入ったの?
(麻子)好きで入ったのよ
(茜)へえ~意外
(麻子)どういう意味で?私にはディズニーの世界似合わないって言いたいわけ?「白雪姫」に感動しちゃ悪いの?
(なつ)「白雪姫」だったんですか?きっかけは
(麻子)そうよ
(茜)それなのにあんな怖い常盤御前になっちゃったんですか
(麻子)ちょっと
白雪姫がきっかけだったようです。それにしても、堀内と麻子は仲良くできていて安心しました。麻子はちょっといじられキャラになりつつありました。
麻子がいじられる場面はほかにもありましたよね。「わんぱく牛若丸」の打ち上げの時。
(茜)ねえマコさんこのお煮しめマコさんが作ったんですか?
(麻子)そうよ
(茜)へえ~意外です。おいしいです!
(麻子)私を何だと思ってるの?
(堀内)料理なんかするんだ
(麻子)するわよ
(下山)結婚もするの?
(麻子)しちゃ悪いんですか?
(下山)いや
(なつ)そういう相手がいるんですか?
(麻子)今はいないわよ。でも親はたくさん見合い話持ってくるけどね
(茜)へえ~心配してるんですね
(麻子)だから私を何だと思ってんの!
なんか麻子がいじられると楽しいですよね。だけど、麻子が料理もできるということがわかりました。これだけでは終わりません。第90話では風車の前でみんなでフォークダンスをするところがありますが、このとき麻子もダンスします。「ダンスするんだ」みたいなことを言われて、麻子の「私を何だと思ってんの!」が出ました。1つのパターンになってきています。
なつぞら第70話のあらすじと感想(2019年6月20日放送)
なつぞら第78話のあらすじと感想(2019年6月29日放送)
なつぞら第90話のあらすじと感想(2019年6月13日放送)
麻子がなつを応援したが見放す
なつが坂場と言い合いになったことがありました。アニメーションのリアリティーについてです。このとき、麻子はなつに行けというようなしぐさをします。
それでなつも坂場に言い返したのですが、麻子は途中で見放すように自分の仕事を始めてしまいました。「なんで…」となつはなったのでした。
そして、坂場が去った後、麻子となつはこう言います。
(麻子)奥原さん、あなたまさか鵯越の逆落としが何なのか、そんなことも知らないわけじゃないわよね?
(なつ)えっ…知ってますよ、そんくらい
なつが知らなかったことは明らかでした。未だに麻子は厳しいんだなと感じました。
ただ、麻子も坂場に対してはよい印象はなかったようです。坂場が去った後には「カチンコもたたけなかったくせに」と言ったのでした。
なつぞら第71話のあらすじと感想(2019年6月21日放送)
なつと麻子が短編映画を作ることに
第79話では新たな展開が見られました。なつと麻子が短編映画の原画を担当することになったのです。しかも企画からやらなければいけません。
(麻子)短編映画ですか?
(仲)長編の仕事がない時に、若手の育成を兼ねて、大体20分弱の短編映画を作ることになったんだ。そこでマコちゃんに原画を任せたいと思ってる
(麻子)私が原画を?
(なつ)えっマコさん、おめでとうございます!
(下山)まあ僕も「白蛇姫」のあと短編映画で鍛えられたからね
(麻子)是非やらせて下さい
(なつ)えっ私はマコさんの下で動画をやらせてもらえるんですか?
(仲)いや…なっちゃんにも思い切って原画をやらせたいと思ってるんだ
(なつ)えっ?
(仲)どうだろうマコちゃん、一緒にやってもらえないかな?女性のアニメーターで最初に原画をやるのは当然マコちゃんだと思っていたんだけど、同時になっちゃんの力も試してみたくなったんだよ。2人で原画を描いてくれないか?
(麻子)私に断る理由はありません。一緒にやれと言われるならやるだけです
(なつ)マコさん!ありがとうございます!よろしくお願いします!
麻子におめでとうと言ったなつでしたが、なんとなつも原画を担当することになりました。
この二人と一緒に短編映画の制作に演出部から参加したのが坂場でした。さっそく、3人でどんな映画を作るのかを話し合うのですが、坂場がさっそく「らしさ」を出します。
(なつ)どうしましょう?
(麻子)そうね。何か一から話を考えた方がいいのか原作を立てた方がしいのか…
(坂場)原作がある方がいいんじゃないですか?時間もないですし。今の僕たちに求められているのは話を作る能力ではなくて話を表現する能力だと思うんです
(なつ)話の表現か…そですね!じゃ何やります?
(麻子)だからそれをこれから考えるんでしょ
(坂場)そうと決まればここで話し合っていても無駄じゃありませんか?まずは各自でやりたいものを見つけてそれから話し合った方が早いです。まずは明日までに、では早速失礼します
こう言い残して、坂場は行ってしまいまいた。麻子はちょっと気に入らなかったようです。
(麻子)一人で決めちゃって…あの人とうまくやってく自信あるの?
(なつ)大丈夫ですよ、マコさんともやってきたじゃないですか
(麻子)そうね…うん?
(なつ)とにかく考えましょう!頑張りましょう!
こうして、麻子となつはまた仕事を一緒にすることになります。これに坂場が加わるので、さらにややこしくなりそうです。
ところが、そこで事件が起こりました。北海道の柴田家になつの妹の千遥が来たとのです。なつは仕事を休んで北海道に行くことにしました。
(麻子)何かよく分かんないけど、短編のことならどこにいたって考えられるでしょ
(なつ)はい…すいません!
麻子は事情をよく知らなかったものの、なつが仕事を休むことを許してくれました。
麻子は短編映画の作り方が気に入らない
麻子は坂場とうまくいきませんでした。坂場の進め方が気に入らなかったのです。なつが千遥のことで休みを取り、会社に戻ったときの会話です。
(麻子)あなたがいない間にさんざん2人で話し合ったんだけどね。どうもダメなのよ、全然考えが合わなくて
(坂場)とりあえず、君の提案を聞いてからまた意見を擦り合わせようということになってね
(麻子)考え方の違いだから擦り合わせようがないんだけどね
(なつ)どう違うんですか?
(麻子)いいからあなたの考えを言いなさい!
このあと、なつが「ヘンゼルとグレーテル」を提案して、それで進めることにはなったのですが、またぶつかります。
(麻子)ちょっと待って、やっぱり脚本作らないつもり?
(なつ)えっ?
(坂場)脚本を作らないとは言っていません。脚本家を立てないと言ってるんです
(なつ)えっどういうことですか?
(麻子)そこが考え方の違いなのよ。私は話を重視して企画を決めたいのに、この人はテーマがあれば話はいらないって言うの
(坂場)いらないとは言っていません。最初から決める必要はないと言っているんです
納得がいかない麻子は仲努にも相談をしていました。
(麻子)仲さんはどう思いますか?脚本も作らずにいきなりイメージをアニメーターに描けと言われても…脚本までは演出の方できちんと書いてもらわないと困ります
(仲)うん、坂場君のやり方か。まあしかしこれは短編だからね。そう珍しいやり方でもないと思うよ。この会社が出来てやっと日本でも長編が作られるようになったけど、それまでの漫画映画は脚本家に頼らず、アニメーター主導で作ってた短編ばかりだからね。坂場君はその原点をやろうとしてるんじゃないのかな
(麻子)原点ですか?そうは感じませんけど
それからも、ストーリー作りの話し合いがありましたが、麻子は乗り気ではありませんでした。話が複雑になることに麻子が口を挟みます。
(麻子)ねえちょっと待ってよ!これは短編なのよ!そんなに話複雑にしてどうすんの!
(なつ)えっでも面白くないですか?
(茜)私は何となくですが面白いと思いました
(麻子)面白いか面白くないかじゃなくて
(神地)アクションの連続にすれば時間は大丈夫です
(麻子)1本も作ったことない人が何言ってんの!
(神地)まあそうですけどね
新人の神地がいろいろとアイディアを出して、坂場も勝手に進めてしまうことに麻子はおもしろくなかったのでしょう。なんとなく、麻子が浮いているような感じすらありました。
この状況を変えたのは、なつでした。
なつぞら第87話のあらすじと感想(2019年7月10日放送)
なつの言葉で麻子が変わる
なつは茜と一緒に麻子と話をしました。最初は咲太郎の声優の会社の話でしたが、思い切って切り出しました。
(なつ)マコさんは…今度の短編映画あまり乗り気じゃないですか?
(麻子)えっ
(なつ)「ヘンゼルとグレーテル」面白くないと思ってますか?
(麻子)面白くないと言ったらどうするの?
(なつ)やめます。私はマコさんが納得してないと嫌なんです。私はマコさんと一緒に作りたいんです。もちろんみんなが納得いくものを。日本で初めて原画になる女性はマコさんしかいないと思っています。この会社に入った時からマコさんは私の目標なんです。だから納得のいく漫画映画を作ってほしいんです。それを私も一緒に作りたいんです
(麻子)あなたってずるいわ…
(なつ)えっ?
(麻子)そうやって何でもいちずに自分の情熱だけを貫こうとするんだから。周りで悩んでる人は何も言えなくなるでしょ
(茜)それは少し分かる
(なつ)えっ…本当?
(麻子)でもものを作るには大事なことよ。それがないとすぐに妥協するからね。だから私のことなんて気にしなくていいの。あなたは作品のことだけを考えてなさい
(なつ)マコさん私は…
(麻子)それでいいって言ってるの!
(茜)そうね…なっちゃんには結局それしかできないかもね
(なつ)そんな!えっそれじゃ私が人のことを考えられないみたいじゃないですか
(麻子)怒らなくていいのよ、それが若さってもんでしょ。私だってそうありたいのよ
このなつとの話で、麻子は変わりました。なつが描いた木の怪物の絵にも「これ面白いじゃない。イッキュウさんどう?」と言い、前向きになりました。さらに、神地が原画をやりたいと言ったときも、「できるものならやってみれば?」と認めました。
なつぞら第89話のあらすじと感想(2019年7月12日放送)
なつぞら第90話のあらすじと感想(2019年7月13日放送)
麻子が結婚を考えている?
第91話では、麻子となつが残業をしていました。夕見子が「愛は志だ」という話を聞いていた麻子が切り出しました。
(麻子)ねえ奥原さん
(なつ)はい?
(麻子)あの子はどうした?
(なつ)あの子?あっ夕見のことですか?とりあえず風車で働くことになりました
(麻子)あの子の考え方、私は間違ってないと思うわよ
(なつ)うん?
(麻子)女にとっては結婚も志でしょう、するかしないかも含めて、女は何を一番に考えるかで生き方が決まってしまうんだから
(なつ)仕事か結婚どっちかを選ばなくちゃならないんですか?
(麻子)どんな選び方をしても人から責められることはないってことよ
麻子は何か考えているようでした。これは結婚するのではないかと思われたシーンでした。仕事一筋のキャリアウーマンに見えていましたが、そういわれてみると、なつとの出会いの時から「男探し」をしていると言っていたし、お煮しめを作ったときも結婚の話をしていたし、もしかしたら、仕事を辞めるのかなと思ってしまいました。
なつぞら第91話のあらすじと感想(2019年7月15日放送)
麻子がなつを「なっちゃん」と言う
ヘンゼルとグレーテルの話で、坂場と仲の意見が合っていないことを知った麻子は、仲と話します。
(麻子)仲さん、この作品だけは何があっても最後までやらせて下さい、お願いします
(仲)何か勘違いしてるよ、僕は君たちの邪魔をする気はないんだから
(麻子)みんなで決めたとおりに作らせて下さい
(仲)それも分かってるよ、だけど君もあの坂場君に随分影響受けてるみたいだね
(麻子)初めは私も疑ってました、坂場さんと奥原さんの熱意は本物です、あの2人はずっと先に向かってアニメーションのことを考えてるんです
(仲)君がそこまで思うなんて…
(麻子)イッキュウさんはともかくとして、奥原さん…なっちゃんのことを最初に認めたのは仲さんじゃないですか
やっぱり麻子はなつのことを嫌いではないし、認めている証拠ですよね。
それにしても、ここまでこの作品をやりたがる麻子は、やっぱり最後の作品だと考えている可能性があるのかなと感じました。
おそらく、いつもは奥原さんと呼ぶ麻子が、はじめてなつを「なっちゃん」と呼んだシーンではないかと思います。もちろん、その場にはなつはいなかったのですが。
実際に「なっちゃん」と本人に向かって呼んだのは、第96話でした。そうです。麻子が辞めることになった日です。
なつぞら第92話のあらすじと感想(2019年7月16日放送)
麻子がアニメーターをやめて結婚する
「ヘンゼルとグレーテル」が終わり、みんなで遊びに行ったとき、麻子は結婚すると言い出した。それはアニメーターをやめることでもありました。
(なつ)マコさんどうしたんですか?何か見つけました?
(麻子)見つけた
(なつ)えっ 何を?
(麻子)私…結婚するの、やっと白馬に乗った王子様を見つけました!
(茜)マコさんちょっとよく分かんないんですけど
(麻子)学生の時につきあってた人がいて、彼は一人前の建築家を目指してて、今度イタリアに行くことになって…それでプロポーズされて、別れるべきか悩んだんだけど、この作品やってやっとふんぎりがつきました
(なつ)えっ…それはアニメーターを辞めるってことですか?
(麻子)そうよ
(なつ)それはないですよマコさん!
(麻子)だから私はこの作品を絶対に成功させたかったの、成功させて私にはこれしかないってそう自分に思えたら、彼と別れることも決心がつくかなと思ってた。けど実際は反対だった…。仕事に満足したから結婚してもいいと思えたの
(なつ)マコさん…
(麻子)この先私がもっと何かを作るためには、ここで立ち止まることも大事なのかなって思えたの。なっちゃんやイッキュウさんと比べると私には何か足りないような気がして、それが悔しくてね
(なつ)そんなことないです!マコさんのようには私はまだ描けません
(麻子)楽しめないのよ。あなたのようにはまだ。それがどうしてなのか…才能なのか迷いなのか、ここで一旦立ち止まって考えてみたくなったの
(坂場)あなたはいいアニメーターです。少なくとも日本にはあなたのようなアニメーターはまだそういないと思います
(麻子)ありがとう…そうやって冷静に言われるとかえってうれしい
(なつ)マコさん、必ずまた戻ってきて下さい!
(麻子)また戻ってきたくなるような羨ましくなるようなもっとすごい漫画映画をこれから作ってよね、なっちゃん
(なつ)分かりました
(神地)俺も頑張ります!
(茜)あなたが言うとちょっと嫌みに感じちゃうの
(神地)嫌み?
(麻子)でも、みんな勘違いしないでよね。私はもっと幸せになるんだから、安月給のアニメーター暮らしとはおさらばできるんだから
(桃代)羨ましい!
(なつ)モモッチ…
(麻子)でしょ
(桃代)はい
(堀内)下山さん何描いてるんですか?
(下山)マコちゃんとみんなのこの幸せな瞬間を描いてんだ、忘れないように
(茜)じゃみんなで集まって描いてもらいましょう
こうして、麻子が東洋動画をやめることになりました。ヘンゼルとグレーテルをどうしてもやらせてほしいと言った裏には、こういうことがあったんですね。
なつがアニメーターになりたての頃は、すごく存在感があってぶつかったこともあった麻子なので、感動するような場面でした。
なつぞら第96話のあらすじと感想(2019年7月20日放送)
最初は最悪な出会いでしたが、徐々になつの絵を認めて、最終的には試験の合格を助けてくれたような存在なのが麻子です。
東洋動画にはモモッチがいて、茜がいて、なつと同世代の女性が出ていますが、麻子は少し違ったキャリアウーマンです。
はじめてなつを「なっちゃん」と呼んだとき、もう麻子は仕事をやめることを決めていました。
結婚してイタリアに行くみたいですが、また戻ってきてほしいなと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません