サプリメントは効果なし?効果がある2つのサプリと危険な組み合わせとは
サプリメントを毎日のように飲んでいる人も多いのではないでしょうか。それはアメリカでも同じようです。最近(2019年7月)、ある研究が注目を集めています。
サプリメントの効果はかなり限定されるというような研究なのです。
Supplements and dietary interventions offer little (if any) protection against heart disease, study finds
このようなタイトルの記事がありました。これを日本語に翻訳すると「サプリメントや食事療法は、心臓病に対する防御効果は得られません」になりました。
結論だけ言えば、サプリメントはそんなに効果はないとなるのですが、このレポートではいろんなことを教えてくれているのです。
↓の研究レポートを元にしているようです。
いくつか気になることが書かれていました。
特に私たちが気になるのは、どのサプリメントが効果が高いのか。そしてどのサプリメントは効果がないのかだと思います。でも、それだけではありません。
組み合わせによっては逆に健康リスクが高まることもわかったと言います。
実はサプリにはあまり健康の効果はない?
試験では100万人以上のデータを使っているようです。概要はこのようになっています。
分析によれば、マルチビタミン、カルシウム、鉄、セレン、ビタミンA、B6、C、D、Eを含むほとんどのサプリメントは、心血管の健康や死亡率に影響を及ぼさなかった。
ほとんどのサプリメントは、死亡率には影響がないと言っています。ですが、よい効果があるものが少しだけあるようです。
オメガ3脂肪酸は心臓発作のリスクを下げる
まず1つ目はオメガ3脂肪酸です。
オメガ-3長鎖多価不飽和脂肪酸(LC-PUFA)が心筋梗塞(RR、0.92 [CI、0.85〜0.99])および冠状動脈性心臓病(RR、0.93 [CI])のリスク低下と関連していることを示した
https://www.minnpost.com/second-opinion/2019/07/supplements-and-dietary-interventions-offer-little-if-any-protection-against-heart-disease-study-finds/
心臓病を起こすリスクが低下するサプリメントは「オメガ-3脂肪酸」とあります。このようなサプリメントはちょっと探せばたくさん出てきますね。ですがこのような指摘もあります。
オメガ-3脂肪酸サプリメントに関する発見は、製品が何らかの心血管系の利益を持っていないことを発見できなかった最近のいくつかのランダム化比較試験と強く矛盾します。
他の研究では効果がないと言っているものもあるようですね。この研究レポートでも「確実性の低い証拠」と言っているのです。
葉酸サプリが脳卒中のリスクを下げる
葉酸サプリもいろいろ出ていると思います。日本でも買うのは簡単。これも健康によい効果があるようです。脳卒中のリスクが下がると言っています。
葉酸は脳卒中のリスクの低下と関連していた
ですが、このオメガ3脂肪酸と葉酸についても、確実性は低いと言われています。ですから、この研究の全体としてはサプリメントにはあまり効果がないということなのでしょう。
葉酸については、中国では効果があるという研究があるようですが、アメリカでも同じように効果があるかはわからないと言われています。地域によって効果の出方には異なる部分もあるようですね。
問題は逆の場合です。効果がないだけではなく、リスクがあることの方が問題です。
サプリメントの組み合わせによっては脳卒中のリスクがある
この研究で気になるのが組み合わせについてです。どうやら栄養素の組み合わせによっては、脳卒中のリスクが増加するようです。
メタアナリシスは、カルシウムとビタミンDの両方を含むサプリメントが脳卒中のリスク増加と関連しているというやや強い証拠を見つけました。
カルシウムとビタミンDを両方含むのがよくないようです。サプリメントは普通は健康のために飲むものですよね。それが逆効果となっている場合もあるということです。
このへんは消費者としてはよく理解しておかなければいけないところですよね。
私はサプリメントは使っていないので、ビタミンDとカルシウムの組み合わせのサプリがあるのかどうかさえわかりませんでした。そこで検索してみました。
そしたら普通にありますね。日本にもありました。いくつか見てみましょう。
- ディアナチュラ カルシウム・マグネシウム・亜鉛・ビタミンD 180粒
- 大塚製薬 ネイチャーメイド カルシウム 200粒
- 小林製薬の栄養補助食品 カルシウム ビタミンD 大豆イソフラボン 約30日分 150粒
ほかにもあるでしょう。ちょっと探しただけで出てきます。そんなにカルシウムとビタミンDの組み合わせが珍しいことでもないように思われます。180粒で500円台とか、なかなか財布に優しい感じのするサプリメントでした。これで健康になるなら悪くありません。
誤解してはいけないのは、決してこのメーカーが消費者を騙しているような悪い会社なわけではありません。大塚製薬とか小林製薬って有名ですもんね。ディアナチュラもアサヒのようです。
でも、今回の研究をもとにすれば、正直このサプリはちょっとやめておこうかなとなってしまいます。新たな研究結果が出ると、今までは売れていた商品も、敬遠されるようになるんでしょうね。
今まではわからなかったのだから仕方がありませんが、そういうリスクのある中でサプリメントメーカーも頑張っているのだと思います。
サプリメント市場は拡大
近年はサプリメントがお店でもよく見かけるようになりました。この研究結果が示すように、まだその効果がちゃんとわかってもいないのに市場は拡大しているようです。
アメリカの成人の4人に3人がある種の栄養補助食品を摂取しており、これらの製品の全世界の売上は今後5年間で3,000億ドルに達すると推定されています。
アメリカでは4人に3人が摂取しているというぐらいです。日本もかなり売れているのでしょう。
今回注目した研究は、海外の情報ですから、日本人にとってはまた違った結果になる可能性はあります。正直、自分には効果があるのかどうかは、わからないというのが結論になると思われます。
それでも、ちょっとカルシウムとビタミンDの組み合わせは気にしてみるとよいのではないでしょうか。そして、どちらかと言えば、葉酸やオメガ3脂肪酸のサプリの方が精神的にはよいと思えるような研究でした。
この研究で覚えておくこと
カルシウムとビタミンDを組み合わせたサプリは心配。
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