授乳中の母親のストレスは、母乳を通して赤ちゃんの成長にもよくない!?

赤ちゃんはかわいい。そんなことは誰でも知っています。それだけで育児ができるなら苦労はしない。同時に育児はストレスとの闘いでもあるように思います。

この記事を書いているは2019年の7月ですが、つい先日、神奈川県で赤ちゃんの育児に悩んていた妻が夫の首を刃物で切り付けるという事件がありました。

「産後うつ」というのも問題になっています。母親自身が自殺するケースもありますよね。2年間で92件もあったと言います。

ここで取り上げるのは産後うつの話ではありません。母乳育児についてです。

赤ちゃんは母乳で育てることがいいようなことを言いますが、これもストレスを作るような場面が多いと思います。

ですが、母乳は赤ちゃんが飲むもの。離乳食が食べられるようになるまではそれが赤ちゃんの栄養のすべてと言えるわけですよね。

そこで、赤ちゃんの体にも母親のストレスが影響を与えるのではないかという研究がありました。

母親のストレスが赤ちゃんの成長にも影響する

母乳育児は赤ちゃんの強い免疫を作るためにも推奨されています。また、大人になってからの肥満や糖尿病のリスクの低下にも関係があるようです。

そこに、母親のストレスが母乳を通して赤ちゃんの成長にも影響するという研究がありました。アメリカではこんな記事があります。

The Stress Hormone in Breast Milk Impacts Baby Growth

日本語に翻訳すると「母乳の中のストレスホルモンが赤ちゃんの成長に影響を与える」となります。

ストレスは何かと健康によくないというのはよく聞く話です。でも、それが母乳を与えている母親であれば、赤ちゃんの成長にも影響があるという話。

この影響とはどっちでしょうか。よい影響か、悪い影響か。もちろん、あなたが想像した通りです。悪い影響があるということなのです。

この記事の概要はこうです。

The latest study, carried out as a small experiment, discovered the direct link between relaxation therapy during breastfeeding and an increased amount of sleep and food that babies want to receive every time.

https://canadianhomesteading.ca/health-and-wellness/the-stress-hormone-in-breast-milk-impacts-baby-growth/10972

これを日本語に翻訳してみるとこのようになります。

小規模な実験として行われた最新の研究では、母乳育児中のリラクゼーション療法と、赤ちゃんの睡眠や食物の量の増加との間の直接的な関連性が発見されました。

つまり、これは授乳中である数か月間は、母親のストレスが、母親と子どもの両方に影響してしまうということになりますね。なぜなら母乳を与えるからです。

では、どのようなメカニズムで赤ちゃんに母親のストレスが影響してしまうのでしょうか。

リラクゼーション療法で母乳とストレスの関係を調べる

リラクゼーションという方法を使って、実験は行われたと言います。リラクゼーション療法により、母親はストレスが少なくなります。

そして、リラクゼーションを行わなかった母親の赤ちゃんとの比較を行いました。その結果、どうなったでしょうか。

2週間後、リラクゼーショングループの母親は、牛乳中のストレスホルモンのコルチゾール濃度が低くなりました。この時点で、リラクゼーショングループの赤ちゃんも1日平均82分長く眠り、コントロールグループの幼児よりも体重が増えました。

記事にはこのようにありました。ストレスが少なかったお母さんの赤ちゃんは、睡眠時間が長くなり、体重も増加する傾向が見られたようです。

ここでよくわからない言葉が出てきます。コルチゾールとは何でしょうか。

母乳中に含まれるコルチゾールとは何か

コルチゾールとは、ホルモンの一種。ストレスを受けた時に分泌が増えることから「ストレスホルモン」とも呼ばれています。

コルチゾールの分泌量は一日の中でもリズムがあり、これによって活動のリズムが作られているとも言われています。朝が多くなり、夜は少なくなります。

ストレスによってその分泌のリズムは崩されてしまいます。分泌が多い状態が続くとうつ病や不眠症などにつながるとされています。

母乳の中にもこのストレスホルモン「コルチゾール」が含まれているわけです。そして、それは母親のストレスによって多くなったり、少なくなったりしていることがわかったということですよね。

さらに、コルチゾールが少ない母乳を飲んだ方が、赤ちゃんもよく眠れたし、食欲も増えたということになります。

どんなリラクゼーションを行ったのか

1つ気になることがありますよね。どんな方法で授乳中の母親のストレスを下げたのか。この実験で行われたのは瞑想リラクゼーションだそうです。 

もし、授乳中のお母さんでストレスを感じている人は、瞑想リラクゼーションがいいかもしれません。

この実験ではすべての母親に当てはまるかはわからない

実はこの実験がまだ完全に信じられるものかどうかはわかりません。なぜなら、2つの問題があったからです。

時間がたつと、効果はなくなり、改善されることがなくなったと言います。もしかすると、リラクゼーションを行うグループに入ったというだけで、効果があると思いこんでしまうプラセボのような効果が出た可能性を否定できません。

そして、この女性がマレーシア人の女性だけだったことも問題だとされています。マレーシアではアメリカよりも、長い育児休暇を取れるからです。同じことがアメリカ人の母親でも当てはまるかはまだわからないということです。

この記事では最後にこのようにまとめていました。

母親と子供の間の感情的な結びつきはまた無限であることが証明されています。母親が気分がよくなり始めたとき、赤ちゃんも同じことをしました。母親の不安は、彼女の幸福だけでなく、子供の成長や可能性にも影響を与えます。科学者たちは、読書、音楽を聴く、絵を描くこと、不安を和らげるのに役立つものなど、リラクゼーションのテクニックを探すよう女性たちに勧めます。

小さな赤ちゃんがいると、寝てほしいのに寝てくれないとか、夜泣きに悩まされるとか大変なんですよね。心配なことも多いですしね。

ですが、母親の不安はやはり母乳を通じてかどうかはわかりませんが、赤ちゃんにも伝染するようです。

もちろん、お母さん自身の健康のためにもですけど、それに加えて赤ちゃんの成長のためにも、お母さんが不安や悩みから解放されることが大切だと改めて思わされます。

このニュースで覚えること

ストレスホルモンのコルチゾールが授乳中の母親だけでなく赤ちゃんも影響する可能性がある。