タバコ禁煙はインセンティブ(お金)がもらえれば成功する!

2019-07-18

2019年7月、タバコとお金に関する話題がアメリカで注目されています。

タバコの値段がどうこうということではありません。正確には禁煙とお金の関係です。これから禁煙しようとしている人にとっては意味があるかもしれません。

JT全国喫煙者率調査によると、日本人の喫煙率は昭和40年には男性が82.3%、女性が15.7%でした。これが平成30年になると、男性が27.8%、女性が8.7%となっています。

これを見ると、かなりの人が禁煙しているようにも見えますが、時代が変わってそもそも吸わない人が多くなったというのが大きいのではないかと想像できます。

問題はこれから禁煙をする場合ですよね。タバコは健康によくないことはもちろん、経済的な負担も大きいわけで、やめたいと思っている人は多いと思います。

そこで、禁煙とお金に関する話題が、アメリカで注目を集めています。

To Help Smokers Quit, Pay Them

こんなタイトルの記事がありました。翻訳すると「タバコをやめるために払う」となります。どういうことでしょうか。

インセンティブを与えると禁煙は成功する

先ほどのタイトルの記事には副題がありました。

Whether the incentive was under $100 or over $700, paying people to quit seemed to be effective.

これを翻訳すると、「インセンティブが100ドル以下であろうと700ドル以上であろうと、人にやめさせるために支払うことは効果的であるように見えました」となります。何をやめるかと言えば、タバコですよね。

つまり、インセンティブ(お金)を与えることが、禁煙には効果的だと言うのです。そして、その金額は100ドル以下でも700ドル以上でも、効果は変わらないようです。

どうしてそんなことが言えるのでしょうか。ある研究結果があります。

お金と禁煙の関係を証明する調査とは

禁煙についての研究があるんですね。この研究が禁煙とお金の関係を物語ります。

33件の試験を対象とし、21,000人以上が参加しました。この研究は、プライマリケアクリニック、大学、癌治療センターなど、さまざまな場面で行われました。全員が少なくとも6ヶ月間参加者を追跡し、喫煙の証拠について呼気または体液をチェックしました。

21000人もの人が参加した実験ですね。その結果、

金銭的報酬を受け取る人々は支払いを受け取らないコントロールよりも辞める可能性が高かった。重要なのは、彼らはまた禁煙のままになる可能性が高かったです。

お金を受け取った人が、受け取らなかった人よりも禁煙できたと言っています。インセンティブがあると、その時だけはやめるけど、禁煙が続かないというケースもあるでしょう。

その点も、この研究では追跡していて、そのままタバコをやめた人が多いという結果です。

金額は禁煙とは関係なかった

インセンティブと言うと、どれぐらいもらえるのかということになりますよね。金額が重要になるわけですが、記事では次のように書かれています。

報酬の額は無関係でした。100ドル未満を支払った試験と700ドルを超えて支払った試験との間に有効性に違いはなかった。

つまり、金額は関係ないということのようです。しかも、どんな形でインセンティブが与えられたかと言えば、現金だけではありませんでした。

報酬の価値は、現金払い、ギフト券、または後で返金された参加者が支払った預金の形で35ポンドから912ポンドの範囲でした。

https://www.theguardian.com/society/2019/jul/17/nhs-could-save-billions-by-offering-cash-reward-to-quit-smoking

とにかくお金とか、それに準ずるようなものが支払われれば、禁煙につながる可能性が高く、しかもその禁煙は長続きもしやすいと言えるようです。

ただ、当然ではありますが、すべての人に有効だと依言えるわけではありません。

インセンティブがすべての人に役立つわけではないと警告し、電子タバコの使用を奨励するなど、人々が喫煙を止めるのに役立つさまざまな選択肢を提供すべきだと述べた。

それでも、禁煙できる人がいるならやってみる価値はあると思います。

誰が喫煙者の禁煙のためにお金を払うのか

この研究でお金があれば、喫煙率が下がるのではないかと想像できますよね。ですが、そのお金はだれが負担するのでしょうか。

喫煙者の禁煙を助けるために自治体などが費用を負担するのはなかなか難しいところがあると思います。

でも、禁煙者が増えることによって病気になる人が減るのであれば、保険会社はその方が節約にあるかもしれないという議論もあります。

企業でも禁煙を奨励したりしています。タバコを吸わない方が生産性が上がるという話も聞きますね。実際にこのような動きもあります。

味の素グループは就業時間に喫煙するのを一切禁じる。社内で認めない例は増えてきたが、社外での行動まで対象にするのは珍しい。ファイザー日本法人はたばこを吸う人を採用しないことを決めた。2020年に受動喫煙を防ぐための改正健康増進法が全面施行されるのを背景に禁煙を進めて生産性を上げ、採用でも優位に立つ狙いだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45133760S9A520C1TJ2000/

東京都庁でも最近、全面禁煙にしたりもしています。

都では20年に、国の法案よりも規制対象が広い受動喫煙防止条例が全面施行される。従業員を雇う飲食店は原則屋内禁煙とし、たばこの煙を遮断するブースを設ける場合は設置費として最大300万円を助成する。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45622080T00C19A6CC1000/

煙を遮断するブースを設けるお金があるのですから、そのお金を禁煙者に配ったら、もしかしたら…より効果が出るかもしれないというニュースだと思います。一人1万円でも効果があるんですからね。

このニュースで覚えておくこと

お金の力は未知数だ!