花火大会による大気汚染で喘息の発作や咳!?7月4日前後のアメリカでは注意

今回取り上げるニュースは花火大会には思わぬ危険があるというニュースです。こんなタイトルの記事が2019年の7月3日に掲載されました。

「DCHD warns fireworks may lessen air quality, cause breathing problems」

翻訳すると「DCHDは、花火は空気の質を低下させ、呼吸に問題を引き起こす可能性があると警告しています」となりました。

どういうことでしょうか。少しだけ詳しく見ていきたいと思います。

花火が呼吸の問題を引き起こす?

今回、ネバダ州のダグラス群保険局では、注意を促したことが発端です。ここで言っている花火とは何なのかが重要ですよね。場合によっては日本でも気をつけなければいけません。

実はこれにはアメリカ特有の問題がありました。このニュースは7月3日に掲載されたのですが、それはまさに花火の時期だったのです。

7月4日と言えば、どういう日でしょうか。アメリカでは独立記念日という祝日にあたります。その前後の日も含めて、アメリカでは打ち上げ花火が行われます。

ダグラス保険局は次のように警告しました。

The Douglas County Health Department says firework smoke may impact air quality.The DCHD says the biggest concern is July 2nd through July 5th.

https://fox42kptm.com/news/local/dchd-warns-fireworks-may-lessen-air-quality-cause-breathing-problems

翻訳すると次のようになります。

ダグラス郡保健局は、花火の煙が大気質に影響を与える可能性があると述べています。DCHDは、最大の懸念は7月2日から7月5日までであると述べています。同じような注意喚起をほかの州でも行っています。

つまり、独立記念日の前後にはアメリカでは花火がたくさん打ち上がるから、空気が汚れるので気をつけてくださいというニュースだったんですね。

花火によってどんな症状が出るか

花火によって、空気が汚れます。それによって肺や呼吸器系の症状が出ると言うのです。ダグラス群の警告には、花火の影響によって出やすい症状を次のように書かれています。

  • 繰り返す咳
  • 息切れ
  • 呼吸困難
  • 胸の圧迫感や痛み
  • 喘鳴(異常呼吸雑音)
  • 動悸
  • 吐き気
  • ふらつき
  • 疲労感

咳が出るだけでもなく、様々な症状が出る可能性があります。ですが、必ずしもすべての人に影響があるわけではないようです。

「喘息および他の心疾患または肺疾患を有する個人、高齢者、非常に幼い子供、および妊娠中の女性にとって呼吸困難を引き起こす可能性がある。

すべての人ではなく、特に高齢者や乳幼児、妊娠中の女性が特に危険だと言っています。

花火の煙の中には小さな粒子やガスがあって、それが肺に吸い込まれると、喘息の発作を引き起こすこともあるようです。気管支炎や肺気腫の疾患がある人はもちろんですが、心臓病のある人も注意が必要なようです。

どれくらいまで危険な状態は続く

7月4日が独立記念日で、その前後の2日~5日は花火が多く打ち上げられます。なので、その時期が最も危険だとされていますが、その後も注意が必要なようです。症状が気になる人は医療機関に相談するようにと警告されています。

心配な人はどうすればいい?

祝日にあわせて花火が行われることは避けられません。ですから、個人個人が行動を気を付けなければいけませんよね。具体的には次のような行動が必要なようです。次のように注意が必要だと言われています。

危険にさらされている人々は、屋外での大規模な身体活動を避けるか、または窓やドアを閉めて屋内にいるべきです。健康に影響を与える人は医療提供者に連絡してください。

「危険にさらされている人」これはつまり、肺疾患のある人や乳幼児、高齢者などを表していると思われます。このような人は、屋外に出ることなく、窓を閉めた屋内で過ごすのがいいようです。

でも、せっかくの祝日だし、独立記念日のお祝いムードの中で、屋内に閉じこもっていなければいけないのは、残念な話とも言えます。皮肉な話です。

日本ではどうなのか

日本ではここまでの注意喚起を聞いたことはありません。全国の花火大会を見ると、7月の後半から8月中旬ごろが最も多い時期なんですよね。

この時期は、もしかすると大気汚染があるのかもしれませんね。

アメリカでは大気の汚染状態を調べてAQIというデータを公開しているようです。1時間ごとに更新し、独立記念日前後の注意する時期にはその数値を見て行動することを求めています。

これはもう花粉症とかPM2.5とかと同じような話だと感じます。だけど、決定的に違うのは、花火は人間が打ち上げていること。人間が汚染しているのです。

楽しむために行っている打ち上げ花火が、大気汚染につながり、健康上の問題を引き起こすわけです。

このニュースについて最後に一言

日本でもそのうち問題になるかもしれませんし、花火も市町村とかが規制するようになる時代が来るのかもしれません。