NHKにマーシー(田代まさしさん)が登場!薬物依存症について何を語った?(バリバラ)

2019-07-11

今日のバリバラにはマーシーが登場しました。田代まさしさんです。マーシーが出たということは、薬物依存の話ですよね。

怖いような面白いような不思議な感じでしたが、とても勉強になったという印象でした。久々にテレビで見たマーシーは元気そうで、話もおもしろかったです。

これまで何度か逮捕されたいるマーシーがどんな話をしたのか、さっそく番組を振り返ってみたいと思います。

マーシーは元気に登場した

番組ではまずはマーシーの略歴が紹介されました。

シャネルズのメンバーとして歌手デビューしたマーシー先生ですがその後タレントとしてバラエティー番組やCMでも大活躍、1996年にはラッツ&スターのメンバーとして紅白歌合戦にも出場しました。しかし人気絶頂の2001年、覚醒剤取締法違反で逮捕。その後も2回逮捕され、合計7年間の刑務所生活を経験されました

次は、マーシーの簡単な挨拶のようなやり取りがありました。

これまでたくさんのバッシング、ボッコボコにされてましたけどもどうして今日は出てくれたんですか?

私ごときの者がまあ皆さんのね、少しでもお役に立てればということと、もう少し薬物依存症のことを皆さんに知ってもらいたいなということで

今日ろれつあんまり回ってないですけど、やってるんですか?

あのねぇ、ここ、だからはっきりさせときます!

ろれつ回ってなかったり、手が震えて大丈夫ですかってよく聞かれるんですけど

使っている時はピタッとそれが止まるんです

逆なんです

あっ逆なんですね

きれいにしゃべってる方が怪しいです

なるほど、よかった、じゃあ今日安心

安心です

ということで今日はマーシー先生にプレゼン形式で薬物依存の本当のことを詳しく教えてもらいます

よろしくお願いします

このやり取りでは、たしかにマーシーは少し活舌が悪いように感じました。その後はそうでもなかったので、緊張のようなものもあったのでしょうか。それとも耳が慣れたのか…

でも、マーシーが言うには、やっているときはろれつが良くなるということらしいですね。これも貴重な情報だと思いました。

それではマーシー先生まずは起立!

礼!

ジャンプ

何でやねん!

着席

マーシーがジャンプのところでさっそく突っ込んでいました。そして、いきなりマーシーらしい発言が飛び出しました。

早速ですね、私の波乱万丈の人生、まあ約半分ぐらいですから…

半生と反省をかけましてお届けしたいなと思います

出た~!

いきなり!

マーシーと言えばこういうダジャレとかおやじギャグみたいな印象が強いのですが、さっそく見せてくれました。ここからはたこやきレインボーとのやり取りでした。

知らないみたいですけど、私のことをね

逮捕されたっていうのは知ってますね

そこか

はい、そこからです

でもお父さんお母さんの年代やろ?お父さんお母さんからもう大スター

マーシーは仕事で苦しんでいた

マーシーもいつの間にか年を取ったなと感じますよね。マーシーはフリップを使って、まずは自分の過去の栄光について話しだしました。

それでは早速いきますよ

私の過去の栄光の軌跡こんな感じです

出た~!

志村さんのバカ殿の横にいたのは本当は私だったんですね

作り払跡

多くのレギュラー番組、週に12本ぐらい持ってましたね

それでシャネルズ時代ですね

出した最初のシングルミリオンセラー、110万枚

あっ知ってるその歌

知ってる?

知ってます、この歌

連れて行ってあげるよって俺が連れて行かれちゃった

そんな細かいギャグ…

CMもいろいろやりましたね、メガネのね、CMとかいろいろ出ました

タレントショップの先駆けも私です

これだけ活躍されてたのに

クスリを何で使うことになった

あ~素朴な疑問やな

う~んそこに来たねぇ、何で使ってしまったか

「つらい」

え~?何で?

どういうことですか?

売れっ子になるとみんな羨ましがるじゃないですか

週に7日間しかないのにレギュラーが12本

そのほかにいろんな特番だ何だ地方だって入ってくるわけですよ

全部面白いこと言わなきゃいけないんですよ、バラエティー

そうか~常に面白いこと発信しなあかん

それをずっと考えなきゃいけない

ネタとかギャグを…

ずっと考えなきゃいけない

そのうちだんだん俺が今この考えてること本当に面白いのかな?」って

だんだん何か精神的に変な方向に行っちゃう

それでね、ギャグを毎日考えなきゃいけないという中で

頑張って自分でやってくじゃないですか

そうすると…この番組にも構成作家とかついてらっしゃるでしょ?

その人が台本書くわけじゃないですか

そこの台本にですね

「田代さん大爆笑のギャグで登場して下さい」とか

あ~

「大爆笑のギャグで退場していって下さい」とか書いてあるわけですよ

その大爆笑を書いといてくれっちゅってんのに書いてないんですよ

たしかに昔はマーシーはよくテレビに出ていましたからね。そして、細かいギャグみたいなのをたくさんやっていた印象です。本人は苦しんでいたんですね。ギャグハラスメントがあったようです。

どうしてクスリに手を出してしまったのか

マーシーはどうしてクスリに手を出したのかについて語りました。かなり重たいというか、生々しい話が続きました。

こういう「面白いこと言え」とかそういう追い詰められて

そのプレッシャーでクスリに手を出してしまったってことですか?

やっぱり何かちょっと俺自分の責任感をこうすごく…

俺が頑張んないと迷惑かかるとかそういうのすごく思うタイプなの

でもそれをクスリ始める時に犯罪やからあかんって…

思うよ、思ったよ、悪いことだって分かってんだけど

じゃあこういうふうに例えてみよう

芸能界の荒波で一生懸命泳いでました

随分頑張って泳いでたんでちょっと足がつりそうになってるし

もうこれ以上疲れて泳げないと、ね

このままだと溺れて死んでしまうかもしれない

そこにですよ

「この浮き袋は違法です」って書いてある浮き袋が流れてきました

これつかまっちゃおうかな

でも、つかまっちゃったら、捕まっちゃうなみたいな

でも死にたくないから

とりあえずまた後で離せばいいやって思って

離せばいいって思っちゃうんですね

思っちゃうんだよそこが、俺自分でやめられると思ってたから

ああやめられると

そう1回だけとりあえず今のこのその気持ちを気分転換させたいという

お休みっていう程度で、お休みみたいな程度で

お休み?

休日みたいな

すいません、この子病院連れてってやってもらっても…

分かるやん!

そんなこと言ってたらお前見てる人がチャンネルかえたらどうすんだよ

元に戻しておくからな

(マーシーがリモコンを出す)

チャンネル持ってきてる!

持ってるし!

まず上手なたとえ話で自分の体験談を話してくれました。だけど、その中にも「つかまったらつかまっちゃう」というような面白さを入れながらのトークでした。マーシーはまだトーク番組でも行けそうな感じがしました。

そして、最後のリモコンですよね。こういう小物を持っていて、タイミングを待って出すようなことが昔は多かったなと思い出しました。

そんなことよりも、一番大事なのは「とりあえずまた後で離せばいいや」「そう1回だけとりあえず今のこのその気持ちを気分転換させたい」というところ。こうして薬物依存が始まるものなんですね。

ここからは専門家の先生が来て、薬物依存のメカニズムについて話します。するとマーシーが入ってきます。

なあお前ら松本先生だけそんな質問いっぱいして、俺の時に1個か2個しかない…

お前の相手を見てんのか?

何ですぐ寂しがるかなあ、先輩

もういいよ、ぐれてやるからな俺は

マーシーが逮捕されるまでを話す

またマーシー先生の話になりました。今度はクスリを始めた後のことを教えてくれました。けっこう生々しい話がありました。

あの先ほどのちょっと繰り返しになっちゃうんですけど

私事なんですけどこちら

まあ仕事のために最初クスリ使ったって言いましたよね

それがですね、使っているうちにだんだんと

クスリのために仕事するようになっちゃうんですよ

高いし稼がないと買えないから

そのうちですね、今度仕事もどうでもいいやってなっちゃうんだ

ええっ!何で?何で?

クスリさえあればいいやってなっちゃう

えっでもお金が…

うんもうね、そこら辺がね、もう金銭感覚もまひしちゃって

友達から借りるとかそういうのもだらしなくなっていっちゃう

えっじゃあもうクスリ中心で生きてるみたいな感じになっちゃう

そうそうそう、中心になっていっちゃう

前は仕事中心だったのがクスリ中心になっちゃう

その結果どうなったかっていうとこちら

逮捕!

田代逮捕!

逮捕

もうげっそりしてる

げっそりしてるでしょ

捕まった時の方がげっそりしたからね

これね、2001年に1度目の逮捕

1度目?1度目

で2004年に2度目の逮捕

普通人間2度目で気が付くんだよ

覚醒剤怖いですね

また3度目があるんですね

2010年3度目の逮捕

3年半、3年半だよ、7年、計7年、長いよ

逮捕されてもやめようと思わなかった?

毎回思うの、これが

毎回思うんですね

毎回思う

でもやめられない?

そうなの

毎回思うのにすき好んで7年も入ってないんですよ

長いですよね?

これもつらいんだよ?はっきり言って、

7年っていったら小学校入ったやつが中学生になってんだから

そうですよね

めっちゃ長いよな

めっちゃ長いんだよ

薬物依存症になって生活が壊れている過程をきちんと教えてくれました。クスリが生活の中心になっていってしまうんですね。仕事もクスリのため、さらにその後の仕事もどうでもよくなっちゃうような感覚もなんか怖い感じがしました。

今日の話を聞いていると、マーシーは遊び半分でクスリに手を出したわけではなく、仕事に対してまじめだったからこそ、ギャグハラスメントに苦しんで、手を出したようです。そして、そういう人が薬物依存症の人には多いみたいなんです。

その前にどうにかできないかということが社会としては必要なんだろうと思います。

刑務所での生活はどうだったか

次は刑務所の中での生活についてでした。これはおもしろい感じで教えてくれました。

どういう生活してるんですか?刑務所の中って

こちら

朝6時半起床、夜9時消灯

早っ!すごい健康ですね

テレビとかはあるんですか?

あるよ一応

あっそうなんや

1チャンネルしか見れない

あっ言っていいのかここはNHKだから

チャンネルはもう決まってるんですか?

NHKばっかしでした、はい

でもNHKを使ってでも賭け事とかしてるけどね刑務所の中で

歌のほらカンコンカンコンカンって、番組あるだろ?

あれで最初に出てくんのは男か女っつって賭けたり…

それで賭けるんですか?

賭けるんだよ、切手とかあのごはんのおかずとか賭けるんだよ

そこにも楽しみを求め始める

そうなんだよ

でね2日に1回ぐらいしかね、お風呂入れないんだ、毎日じゃないんだ

えっどうして

水道代かかっちゃうからだよ

水道代

だから

かけ湯何杯とが決まってんだぞ

え~!

何杯なんですか?

え~っとね入る前に2杯かな

ほいでお風呂上がったあとにせっけんでやって3杯かな

それで上がる時に1杯ぐらいだから1回のお風呂で6杯ぐらい

え~!厳しい

あとねもうダメで分かってみんな刑務所にいるのに

「ダメ、ゼッタイ」って、ポスターが貼ってある!

ダメのダメ押しだから、必要ないだろここには

念押しがすごい

テレビはNHKしか見れないらしいです。そして、NHKのテレビで賭け事をしている。お風呂の話もはじめて知りました。こういう生活を7年も経験したマーシー。

逮捕される前はレギュラー12本ですから、相当稼いでいたでしょうし、いい生活をしていたと思うんですよね。それがクスリによって、ここまで行ってしまうということですね。

それでも、まだ薬物から抜け出せていないのが怖いですよね。

マーシーが薬物をやめられない怖さを話す

刑務所に入っても辞められなかったのがマーシーです。そのことを赤裸々に語ります。

刑務所にやっぱ入れられるってことは

やっぱあかんことしてるって分かるじゃないですか

それでも全然抜けないんですか?

やめないとっていう気持ちも?

最初は思う、でもクスリの魔力が勝ってまた使って罰せられる

その時もね、刑務所入れられるじゃないですか、ねっ?

ただ悪のコネクションが広がるだけの場所だったんですよ、僕にとっては、

刑務所が?

刑務所が

どういうことか分かる?

だからもう同じように捕まってる人たち同士で

同士でどうやったら捕まんないかって話になるんですよ

あ~!

マーシーそんなそこら辺のね売人から買っててるから捕まんだよ

俺のとこから買ったら絶対捕まんないからって

そいつ捕まってんだよ、だって

そうですよね、確かに

ということはその刑務所の中にいた時の本音っていうのはどういう気持ちやったんですか?

クスリやりてえ!

ありえへん…

3年半クスリ断ってる間もまあ…

断ってるんじゃないんだ、本当は

そうなんですか?

ただやめさせられてるだけなんだよ

あっじゃあもうまだずっとやりたいって気持ちはありながら…

ありながら、使えないじゃなくて使わないにならないとダメなんだ

つまり簡単に言うとコントロールできないってこと…

そうコントロール喪失になるのが依存症なんですよね

マーシー先生分かってるんですよね、やめなあかんって

わかってるよ、捕まるたびにもう二度と…

ファンをがっかりさせた、家族に心配かけた

もう二度とやっちゃいけないって強い意志持つんだよ

それがね…目の前に出されたりとか、つらいことが起きると

大切なものよりも魔力が勝っちゃうんだ

ここをたぶん世間の人は誤解してるんやと思う

いや誤解してると思う、やめたいって気持ちは?

ものすごいある

あるんですね

毎回思う、もう二度としませんって

でも二度としませんっていう何かここの奥の方で

「やめられるのかなあ俺」って何か不安な気持ちはある

つまりあれやんか…梅干しあるやん、食べたことあるやん、見るやん

見ただけで唾液でてけえへん?

あ~

全く同じ

全く同じ?

これも怖いような話でした。刑務所で生活して、もうクスリとは離れた生活をしてだいぶだっても、やっぱりクスリやりてえと思っていたというんですよね。

もう一度やってしまうと抜け出すことは絶対に無理とまで感じるような話でした。結局、刑務所でもクスリの話をしているというのもリアルで驚きがありました。

たしかに、やめたわけではなく、使えない状況にあるから使えていないだけということなんですね。

マーシーはここでダルクを創設した近藤さんを呼び、ダルクでの生活などを紹介しました。そこには、同じことで苦しんでいる仲間がいるので、薬物依存と戦うことができているようです。

孤立することが一番よくない

でも逆に考えたら仲間がおれへんかったら本当やばいですよね

本当やばいですよね

やばい

確かに

孤立することがいちばんやばいんだよ

さみしい悲しいっていうのがだんだん強くなるでしょ孤立って

また悪循環

ダルクのような孤立しないところにいることが大事だとマーシーは言います。これは本当の反省なんだろうなと感じました。2回の逮捕があって、さらに3回目の逮捕もあった。これはもう同じように自分の意志だけではどうにもできないということなんでしょうね。

でも、それから5~6年たっているけど、それでもダルクが必要だと言っていますからね。孤立したらまたやってしまうかもという気持ちはあるんですよね。

つまり、もう一生そういう生活でないと、意志が強いとかどうとかじゃどうにもならない状態になってしまうということなのでしょう。

自分も薬物依存症だと認めたら楽になった

1個気になったのは2001年最初に逮捕されたじゃないですか

それから2014年にダルクにつながるまで、これ13年かかってるんですよね

あのね、自分で依存症って認めんのすごい嫌だたったんだよ

えっ認めるのが嫌やった?

だってダルクでその講演とかあとみんなでミーティングする時

自分で自己紹介する時に「薬物依存症のマーシーです」って言わきゃいけないんだよ

あ~

俺は違うもんと思ってたもん、最初

それももう絶対言わなあかんっていう…

言わなきゃいけない、認めることだから、正直になることだから

まずそっから…

だからそれで認めるまでに葛藤があったっていうか

病気の根源は否認なんですよ

そう妊娠しないんだよ俺

妊娠ってそっちじゃない!

認めないの否認ですよ

否認の病ですよね、俺はお前らと違う

つまり人間っていうのはそもそもそういうことを認められない弱さが

みんなにあるってことですよね

そうそうある

う~ん

そういうふうに認められだしたらどんな気持ち、楽ですか?

あのね、何かすごく肩が重かったっていうか

ぐ~っと押しつぶされてたのがすごい楽になる

あっ楽になる?

楽になる

その段階でやめられるかというとそうではいけれども

すごく楽になるから、きょう一日頑張ればいいんだっていう

大きな一歩ですよね

大きな一歩

最後は少しだけですが、なんとなく希望が見えるような話になりました。それにしても薬物は怖いものだとよくわかりました。次は2限目に続きます。

「教えてマーシー先生」2限目が始まる

薬物問題の取り上げ方についても考える考える2限目が始まりました。まずはたこやきレインボーが前回(1限目)の感想を言いました。

「薬物依存症のイメージと実態にギャップがあったと言ったのですが、そこですかさずマーシーはこう言います。

「今日こんなのかぶってんだけど…」

「それキャップ」

まずはそんなやり取りから2限目が始まりました。

薬物依存者のイメージについて

マーシーは覚醒剤を使っている人のイメージについて尋ねました

1人ずつちょっとイメージ覚醒剤使うとどんなイメージ?

暴れたり幻聴とか幻覚が聞こえたり見えたりするっていうイメージが強いんですよ、私

それはめっちゃ分かる、何か見えへんものが見えて1人でわ~ってやってる感じ

俺もこんなふうに思ってました

「おれはヤバくない」

(女性が注射器を持って怖い形相の絵が出る)

いやヤバい…

相当ヤバいよね

ねえ、だから俺はヤバくないと思ってたわけだ

こんな症状なんないんだよ本当は、もっと普通

よくほらクスリが切れてさ虫がはってるとか

壁をギュッてやってるとかあるだろ?

クスリがなくなったらただ眠いだけ

え~っ!?

ずっと何日も寝てないから

マーシーの口から薬物使用者の真実が語られました。実際は幻覚や幻聴はないと言っていました。ただ眠いのだそうです。薬物をやっている間は眠くならないんですね。

これには専門家の松本先生も「普通の依存症の人ってああならないから長く使えるんですよ」と続けました。イメージとは違うということです。たしかにあまりに怖い状況になったら長く続けることもできないんですよね。普通の状態、切れると眠くなるぐらいのようです。

私たちの勝手な薬物依存のイメージは、最初の一回をやらせないために、ほとんどの人が出ないような症状をわざと大げさに見せているのが実態のようです

逮捕された時のマーシーの感情

次にマーシーが逮捕を報じられた時の気持ちを伝えました。今回はこのあたりが中心になりました。反省しろと言われるのがつらかったとマーシーは言います。

「反省千本ノック」

「本当に反省してんですか?」とかさ、ちょっとのことでそうなるわけですよ

反省反省反省なんですよ

まるで反省の千本ノックを受けているようなさ

つらくないんですか?

つらいよ

でも世間的にはあんたがやったことだからしょうがないでしょって済まされる問題だけど

寄り添うって方たちは誰もいないんだ、世間には

世の中的に覚醒剤を使うとね

どういうイメージを持つかというとこちら

「人間やめますかそれとも覚醒剤やめますか」みたいな

報道ではこの絵のようにゲッソリ痩せて出てきた田代さん見てどういう感じしますか?

クスリにハマってしまったら、こんなにも怖いことになっちゃうんやって

それくらいだったよね?

反省せい反省せいって多分正義を持ってメディアの人が熱くやったかもしれない

でも実際何が欲しかったんです?

まっ正直例えば

「施設に入って彼ももう一回ちゃんと治療して一日も早く戻ってきてほしいですよね」

みたいな在り方だったり、放送だったりするとちょっと希望が持てる

少しでも希望が欲しいじゃないですか

だからそういうのがこう見え隠れすると、何かよし頑張ってみようかなってなるけど…

マーシーとしては「反省、反省」と言われるよりも、希望の持てるようなコメントが欲しかったようです。わかってくれる人がいなかったんですね。

マーシーは被害者がいないのだから犯罪ではないと思っていた

次にマーシーが当時嫌だったことは何かと聞かれます。

当時嫌だったことはないんですか?

すべてが敵だと思った

世界中誰も俺の味方はいないと思った

これや

また根本的に全然回復しない方向に行きますね

もう行くしかないじゃん、そうなると

最初はね、ほら犯罪って加害者がいて被害者がいるじゃないか

俺らの場合って自分の金で自分の体痛めつけてるだけだと思ってたから

被害者いねえじゃねえかよってそのくらいのことしか思ってないの

「誰にも迷惑かけてないじゃん」みたいな

「被害者いるなら連れてこいよ」みたいな

はあ~

で、もしあるとしたらだよ

注射を打つ右手が加害者

打たれる左手が被害者

自分の中で完結してる

そうそう、自分の中で解決したんだけど

そんな程度しか思ってないんだよ、使ってる人

で本当に被害受けてる人は、今思うと、家族だったりファンだったりするわけだけど

そういう人たちもいろいろ苦労するわけですよ

それでどうなるかというと、家族もバッシング

あ~これきついよな~

これきついんだよ

たしかに薬物を使うことで誰か他人が損害を受けることはありません。そこを逃げ道のようにしていたところもあるのかもしれませんね。でも、実際は家族が被害者だったと言います。

家族がバッシングを受けるのがきつい

家族が受けた被害についてマーシーは語りました。結局、自分だけを傷つけるのが薬物行為ではないということを教えてくれました。

家族もバッシング

でもそういうイメージありますね

家族の家の前でずっと待たれてるとか

今話聞いてて思い出したのはやっぱりマスコミが騒ぐことによって

僕が留置所にいる時にかみさんのお母さんから手紙を頂きまして…

お母さんから?

「あなたは確かに娘や孫たちにすごくよくしてくれました」と

「私も海外に連れてってもらったりすごくいい思いもしました」と

「でもあなたの今回のこの事件によって私は洗濯物も外に干せなくなりました」と

えっ、ということはそこにも行ってるって…

はい、お母さんとこにも行ってるんですね

お母さんのそういうのを見るとつらくなるし

あと一番きつかったのは娘

娘からやっぱ手紙が来ました

その時中学生だったのかな

で「パパへ」って書いてあって

「パパには自転車の乗り方や、いろいろ私によくしてくれてありがとう」と

「寒い日にはパパが自分のポケットに私の手を入れてくれましたね」と

書いてあるんだけど

「でも今回の事件によって学校のクラスの友達にみんなしゃべってくれなくなりました」とかね

そういうのを見ると、すまんことしたなとかって思うけども

何で娘までそういうのが及ぶんだろうと

俺だけ責めてもらうのはいいけれども

家族とかそういうのはやめてくれよって何かすごく思っちゃうんだよね

マーシーは刑務所にいるときに家族から来た手紙に一番こたえたようです。薬物を使う、そして逮捕されることで、家族が本人以上に苦しむことにもなるんだなと思いました。家族のためにも薬物に手を出してはいけないんですね。このあと、離婚したことについても触れました。

この子どもらを守ることが優先やったとしたら

やっぱり離婚せんとあかんなとかってやっぱり考えますか?

うちのかみさんは子どもたちを守るために、そういう手段をとったんだと思いますよね

あ~そうですか

マーシーはこれで離婚したと言います。さっきの手紙で娘にとってもよいお父さんだったのに、本当に薬物で仕事も家族も、すべてを失ってしまったということですよね。それで、残されるのは自分だけになって、ますます孤独感に包まれて、また薬物に頼ってしまうというのが実態なのかもしれません。

マーシー先生がダルクのミーティングに参加する

ダルクには薬物依存症の人が集まっています。ミーティングの参加者は全員薬物依存症の当事者なのです。最初は変な所に来ちゃったと思うようです。でも、何を言っても否定されることがないので、本音が言える場所で、それが薬物依存者を楽にしている面があるようです。マーシーはミーティングでこんなことを言います。

僕は若いころシンナーは吸ってたけどシンナーも時が来たらやめられたんで

覚醒剤も同じようにやめれるとかたくなに強く思っていた

でも全然やめられなかった

犯罪だって分かっていたけど

こんなにやめられない病気にかかるとは思っていなかったよね

やめられない病気にならないと思って最初に手を出しているから

かたくなに隠してきたことが言えないでたまっていっちゃって

また悪い方向行ってたのが、ミーティングやることによってはき出せるようになったんで

最初はね、いやこんなひどくないよ俺はと思ったけど

だんだん「分かる分かる」となってくる

不思議だよね、ここに染まりたくないと思ってみんな最初来るんだよ

マーシーはダルクの仲間とこんな会話もしていました。

志村けんと優香どういう関係なのか気になったね

刑務所で一番多い質問がそれ

ちょうど世代だからね、だいじょぶだ~とか言ってほしい

大丈夫じゃねえんだよ、全然大丈夫じゃねえんだよ

ダルクでの会話にはマーシーも楽しそうでした。家族を失って孤独になってしまうよりはこういう環境があった方がいいようです。マーシーは創設者の近藤さんと一緒にダルクの良さを話します。

だからミーティング、ねっ?ただそれで治るのかって思うでしょ?

思いますね

それ参加するのも自由だし、自分の体験談を話すだけなんだけど

打ち明けられる場所をつくる?

そう、すっきりする場所が今までなかった

あ~!

みんな隠すでしょ?

隠さなくていいんだそこは

そうかやっとそういう相手が出来たっていう

そう、仲間が増えた

それで仲間意識が出るでしょ?

そうするともう隠す必要もないし

よろい着る必要もないし、ねっ?

楽じゃないですか

よく病気だから、ねえ?「闘いなさい」って言うでしょ?

もう闘わない、きょう一日だけ考えよう!

先のことを考えないできょう一日だけ、とにかくクスリなしの人生をやろう

今日とりあえず一日やめてみようって

仲間たちと一日だけやめてみようよっていうと気が楽じゃない

きょう一日くらいだったら、なんとかクスリ使わなくてもやれるかもってなるじゃん

それを毎日繰り返せばいいっていう

当時はダルクがあるというような情報が大事だった

今回はここまでまじめに話してきたマーシーですが、ギャグを入れてきます。

いろんなバッシングのね、そういう報道よりも

やっぱり同じ報道でもいろんなこういうふうに抜けれていくんですよ

ダルクがあるんですよ、いろんなそういう具体的な情報があった方がよかったんじゃないですか?

僕にとって?うんうんうん

ここでマーシーは耳を抑えて誰かからの指示を聞いているようなことをしました。

誰がしゃべってんねん副調のディレクターから指示出んのかい、出てないでしょ?

こういう細かいの好きなの、ごめんなさい

1つ笑いを入れたところで、またまじめな話に変わります。

そういう情報がね、やっぱり僕がその当時使ってた時に

あの僕の周りにはさ、クスリを使っている人は見るけど

やめてる人は見たことがなかったわけ

なるほど

ダルクに行って初めてこんなにたくさんやめてる人いるんだってなったし

だからあの当時もっと情報がね、ちゃんとみんなに伝わってて…

タルクでこれだけの人が、回復しているよとかって

そういう情報があったら、また俺の人生もちがってたんじゃないかなって思うしね

マーシーが記者会見をやり直す

番組の最後にさしかかって、マーシー先生が記者会見をやることになります。記者がいるわけではありませんが、謝罪会見を本音で行うことになりました。

実はですね、最後にマーシー先生が

今日やっておきたいことがあるそうなんですが何なんでしょう?

実はこれです

これはあの一番最初に事件を起こしたあとの記者会見なんですけど

先ほどからいろいろありましたよね

まあ本音を言えないような社会であるとか

もし、本音を言ったらどうなってしまうのかっていうことをですね…

あの記者会見の模擬記者会見のやり直し

あっこれはすごいですね、是非やりましょう!

(ブザーが鳴る)

(マーシーがマイクをくねらせて、マイクと一緒にお辞儀をする)

あの~皆さんもご存じのとおり

え~再三にわたって「クスリをやめる」って言ってきて

やめられないでまたこのような会見になってるわけですから

「絶対に使わないっていうことはお約束できないんですよ

でもですね

今日一日だけやめる努力を怠らないということは皆さんにお約束したいと思います

まあ反省してないって取られてもしょうがないんですけれども

まあ反省だけだったら猿でもできるんで

いつになるかは分かりませんけど

自分の行動とか、そういうことで示していきたいなと思ってます。

それで納得して下さい

(拍手)

いや~緊張しましたね、こちらも

まあその時の当時の気持ちを思い起こして

こういうふうに言えたらもっと楽だったんだっていうようなことでやりましたけど

まあ記者もいないし…

もっと本当はすごかったんですもんね

すごかったですよ、もう

そういう中で結構言わされてる感があったってことですか?

言わされてる感ありましたね

だってそう言わないと納得しない世の中じゃないですか

「もう二度としません反省してます」って

最後はマーシーらしいギャグで終わらせる

最後のまとめのところでも、マーシーが言ってはいけないようなことを言いました。しかも2回も言いました。

さあマーシー先生「バリバラ」どうでしたか

マリファナ?

最後まで…

「バリバラ」です!

こうやって何かちゃんと取り上げられて

で、何か理解を深めようとする若い人たちがいたりとか

そういうのがすごく何か自分の励みになるし

何よりもこういう活動っていうのは自分の回復に役立つという

まあ、率直にあのうれしいですよね、うん

やっぱりね、カンペで最後何か出てますから

(田代さん、爆笑ギャグでしめてください)

しつけえな、もう本当に

これこれ!

これですよ!これが追い込んだんやから!

「ギャクハラスメント」

これで俺ウケなかったらどうすんだよ!

あのね、じゃあ分かりました

僕のこの言葉で皆さんとはね

こきげんようさようならをしたいと思うんですけど

ダルクにこうつながってですね、生活してる中で

まあ途中で買いもん行ったりなんかします

で帰ってくる時、先輩のスタッフが「マーシーおかえりなさい」って

その「おかえりなさい」という言葉が「コカイン買いなさい」って聞こえた

あかんあかんあかん!

あかんあかん!あかんわこれ

ありがとうございました~!

たしか1限目で、マーシーはこのギャグハラスメントで追い詰められたのが薬物に手を出した原因だったと言っていましたよね。それをここで再現したのでした。しかもマーシーのギャグは、マリファナとコカインが出てきました。

なんか、これでいいんじゃないかなと思いました。うれしいとマーシーは言っていたし、テレビを見ていても、楽しい番組だったというのが正直なところです。

こうやって薬物をやったことはあっても、また復帰ができるような世の中になった方が、実は薬物依存者を少なくすることにつながるのではないかと思います。

ただ、薬物をやってもすぐに社会に復帰できるという犯罪の軽視につながることも問題ですよね。このへんのバランスはなかな答えが出ないし、難しいなと思います。

もちろん、一番正しいのは、誰もクスリをやらないということですからね。

2週にわたって放送されたマーシー先生のバリバラは私としては面白い番組でした。