【なつぞら】石井富子(梅舟惟永さん)がなつの厳しい上司。富子の出演シーンをまとめました
なつがアニメーターとして働く東洋動画という会社に、石井富子という社員がいます。梅舟惟永(うめふねありえい)さんが演じています。早稲田大学を卒業した女優さんです。
なつが入社したとき、石井富子は30歳でしたが若い人が多いこの会社では大先輩という位置づけでした。
とにかく富子はなつの厳しい上司として描かれていました。なつが怒られて謝るというシーンが多かったと思います。ちょっと恐れられている人物です。
富子は仕上課の社員ですから、なつが入社して最初に所属した課の上司です。なので、あまり期間は長くないのですが、強い印象を残したのが富子でした。
そんな富子の出演シーンをまとめてみたいと思います。
なつと富子の出会い
石井富子が「なつぞら」に最初に登場したのは第55話でした。富子は仕上課に入ったばかりの新入社員に仕事を説明する役でした。
仕上課の山根課長から大先輩として紹介されたのが石井富子でした。
(山根)こちらが皆さんの大先輩石井富子さんです。詳しくは石井さんから。石井さんお願いします。頑張ってハハハ…
(富子)大先輩といっても私もまだ30歳です。ここで働く人たちはみんな若いです。本格的に総天然色の漫画映画を作るのは日本でここが初めてなのです。ちなみに世界では漫画映画をアニメーションと呼んでいます
(なつ)アニメーション…
(富子)アニメーションに欠かせないものがセル画で映画館で観客が見るのはこのセル画の絵なのですから皆さんはこれを作る仕事をするんです。いいですね?
こうして、なつたちは富子から仕事を教わりました。
さっそくなつは富子に怒られる
仕上課で怖い上司という位置づけが石井富子でした。なつが入社した初日、モモッチと呼ばれている桃代に仕事を教わりながらなつは、彩色の仕事をしますが、さっそく富子から厳しい言葉が飛びました。
(富子)うん、なかなかうまいじゃないの
(なつ)え、本当ですか?ありがとうございます
(富子)それで何枚目?
(なつ)1枚目です
(富子)遅い!
(なつ)すいません…
(富子)まあ初めだからしかたないけど丁寧なのはいいことです。筆に水をつけ過ぎるとムラになるから気を付けてね
(なつ)はい
(富子)モモッチ、お願いね
(桃代)はい
なつは仕事が遅いというのが富子から見たなつの評価でした。ここでは「初めだからしかたない」と言っていますが、仕事が遅いというのはなつが仕上課にいる間ずっと富子は思っていたようです。
後に作画課の麻子が富子になつの仕事ぶりを聞きに来た時も「優秀とは言えない」と答えたのでした。
こうして、厳しい先輩社員として登場したのが石井富子だったのです。
なつの動画を麻子が持って行った事件
なつが富子に自分の服について聞いたことがありました。第57話です。
なつは亜矢美に服を借りていましたが、派手な服ばかりで誤解を生んでしまったのです。その相手は麻子でした。
なつは麻子にこんなことを言われました。
「結婚相手でも探しに来てんの?そんなおしゃればっかり気い遣って。会社の男はみんな自分のものみたいな顔しちゃって。将来の旦那に会いたいって気持ちがにじみ出てんのよ、その顔から!男探しに来てるだけなら目障りだから、私の前うろちょろしないでちょうだい」
これに腹を立てたなつでしたが、服装が原因だということは感じていました。そこで意見を聞いたのが富子でした。たまたま昼休みに残っていたなつと富子の会話です。
(富子)奥原さん
(なつ)はい!
(富子)お昼ごはんは食べないの?
(なつ)あ、これから
(富子)勉強熱心なのはいいけど、ちゃんと食べてないとまた手元が狂うわよ
(なつ)はい、すいません、急いでパン買ってきます
(富子)服に気を遣う時間はあるのに…
(なつ)あの石井さん
(富子)えっ?
(なつ)私の服装ってダメですか?
(富子)いいんじゃない?そういう変わった子がいても
(なつ)かっ変わってるんですか、これ!?
(富子)自分は変わってるって主張したいんじゃないの?それ。いいのよ、絵を描く人間なんてそういうのいっぱいいるんだから
(なつ)パン買ってきます
(富子)行ってらっしゃい
(なつ)はい
富子もなつは変わり者だという印象を持っていたことがわかります。でも、お昼を食べないの?とやさしい面もあるんですよね。
ところが、なつがパンを買いに行くと、そこに麻子がやってきます。そして、なつが描いた絵を持っていてしまいます。
麻子は作画課からなつが動画を勝手に持って行ったと勘違いしたのです。これを見ていたのが富子でした。そこになつが戻ってきます。
(なつ)モモッチさん
(桃代)ん?
(なつ)ここにあった動画知りませんか?
(桃代)動画?
(なつ)紙です。下手な絵が描いてあったと思うんですけど
(桃代)さあ
(富子)それなら大沢さんが持っていったわよ
(なつ)大沢さんってマコさんって呼ばれてる人ですか?
(富子)そうよ、本当はあさこっていうんだけど。あなたあれ勝手に作画の部屋から持ってきちゃったんだって?
(なつ)あっ…いやあれは
(富子)あれは何でも大事なラフだったらしいわよ
(なつ)ええっ!?
なつの絵は作画課で称賛されていました。それで採用されることになったのです。勘違いした麻子がなつの絵とは知らずに動画担当者の堀内をほめたのでした。
なつもその光景を見ていました。それは自信につながったのでしょう。仕上課に戻ると富子が待っていました。
(富子)奥原さんどうだった?
(なつ)はい、すいません、ちゃんと謝ってきました
(富子)あなたどういうつもりなの?勝手に動画を持ち出して
(なつ)私はただ動画の勉強がしたくて
(富子)仕上はやりたくないというわけじゃないでしょうね?
(なつ)そんなことありません
(富子)だったら今は彩色の仕事に集中しなさい
(なつ)はい、すいませんでした
やっぱり厳しい富子でしたが、なつにとっては大きな出来事になりました。
仕上げの仕事がピークになると富子がさらに厳しく
第61話での富子はピリピリしていました。「白蛇姫」の制作が進み、仕上げの仕事がピークを迎えていたのでした。忙しく、なつも残業をしていたのです。
そんな中、なつのあくびが富子に見つかってしまいます。
(富子)何?あなたもあくびが出るの?あなたの場合は仕事が遅いから出るんじゃないの!
(なつ)えっすいません!
(桃代)あくびを注意されたんじゃないのよ。仕事が遅いって言われたのよ
(なつ)分かってるってそんなこと
なつが入社して半年が経った頃ですが、まだ仕事が遅いという評価は変わっていませんでした。富子も忙しくてイライラしていたんですよね。
仕上げの作業を最終的にチェックするのも富子の仕事でした。みんなが最後の一枚を確認する富子を見つめていました。
(富子)はい…オッケーです
(山根)皆さん、お疲れさまでした!動画総枚数6万5298枚全てのトレース彩色が終わりました!本当にご苦労さまでした!
こうして、なつがはじめて関わった漫画映画の「白蛇姫」の仕上げは終わったのでした。
なつぞら第61話のあらすじと感想(2019年6月10日放送)
トレースの練習でなつが「生けにえ」にされる
第62話ではトレースの練習がありました。セルに絵を写し取る作業を練習するのですが、そこでなつが代表してやってみることになったのです。
(富子)自信があるっていう人はいますか?誰も挑戦したい人はいませんか?
(なつだけが手を挙げる)
(富子)奥原さん…あなたは作画に行きたいんじゃなかったっけ?
(なつ)あ、いえ作画になりたいとは思ってますが、もちろん仕上げもちゃんとやりたいです。仕上げで使える人間になりたいです
(富子)自信があるの?
(なつ)う~ん…やってみなければ分かりませんが、ずっと動画のクリーンナップの練習をしてたので、きれいに線を描くのは大丈夫だと思います。というより…思いたいです
(富子)あらそう、ならここに座ってやってごらんなさい
(なつ)はい
(富子)これを描いてみなさい
(なつ)はい
(富子)墨をすってそのペンで描いてみて、正確にね
(なつ)はい
なつが絵を写すと、富子は意外にも「へえ~なかなかうまいじゃない」と言ったのでした。でも、それで終わりません。なつは同じ絵を10枚も描かされたのでした。
(富子)それじゃトレースしたセルを全部重ねてごらんなさい
(なつ)はい
すると、なつが描いた絵の線はずれていたのでした。
(富子)それと同じことをここにいるトレーサーの西部さんにもしてもらいました。それがこれです
(なつ)すごいきれい…
(富子)映画のフィルムは1秒間に24コマです。私たちが作っているアニメーションは大半がセル画1枚を2コマずつ使って12コマで出来ています。その1秒間に動いていない部分がこれだけ動けばどうなりますか?しかしこっちもきれいに一本の線に重なっているように見えて微妙にズレがあります。どんなにうまく描いても完璧に重なることはないんです。けどこれが絵に命を与えることになります。動いてないように見えるところでさえもこうやってかすかに動いてるから絵が生きてるように見えるんです。これがトレースの技術です。それじゃみんなも心して練習して下さい
なつが入社した時の仕事の説明でもそうでしたが、富子はこうして私たち視聴者にもアニメーションがどうなってできているのかを説明してくれるというポジションでもありました。
このときのことをモモッチはなつに「見事にいけにえにされちゃったわね」と言います。
(桃代)なっちゃん見事にいけにえにされちゃったわね、トミさんに
(なつ)トミさん?
(桃代)あ、会社で石井富子をトミさんって呼べる人は限られてるけど、私たちは陰で呼んでるの、おトミさんとか。まあ腹が立った時はトミ公だけど
(なつ)トミコー?
(桃代)うん、あっ本人に言っちゃダメよ
(なつ)言えないってば
この昼休みの会話が富子となつの会話にも出てきてしまうのです。それはなつが動画の試験に合格して、仕上課から作画課に行くときでした。
なつぞら第62話のあらすじと感想(2019年6月11日放送)
なつぞら第63話のあらすじと感想(2019年6月12日放送)
富子が麻子になつの評価を伝える
なつはアニメーターになるための社内試験に落ちた後、動画の練習をしていました。そして、仲に絵を見てほしいと渡したことがありました。そのとき仲は麻子に見てほしいと頼みます。
麻子はなつに才能があるのか、ないのかわからなくなり迷いました。そして仕上課の富子に聞きに来ました。
(麻子)あっトミさん
(富子)あっマコちゃん、まだ仕事?
(麻子)ちょっと聞きたいんですけど…奥原なつって優秀ですか?
(富子)優秀?…とは言えないわね。入って1年もたってないし、彩色の仕事は丁寧なんだけど、とにかく遅いのよ
(麻子)遅い?動画だととにかく早いって話だったけど…
(富子)えっ?何かあるの?
(麻子)あの子ただの素人なのか、それとも天才なのか…どっちなんでしょう?
(富子)何かあるの?
(麻子)どっちだと思います?
このあとの富子の返事はありませんでしたが、そんなに高い評価をしていたとは思えません。なつは入社当時から仕事が遅く、富子に怒られるということが多かったのです。
でも、麻子はなつをアニメーターに推薦しました。それは仲からなつが聞くことになりました。
なつぞら第64話のあらすじと感想(2019年6月13日放送)
なつが本人に向かってトミコーと呼んでしまう
なつが仕上課を卒業することになりました。試験を受けたなつは苦手だった線のクリーンナップも上達して、仲や井戸原に認められて作画課に行くことになったのです。
なつの厳しい上司だった富子ともお別れとなりました。厳しかった富子でしたが、最後はやさしく送り出そうとしました。でも、あの言葉がなつの口から出てしまったのです。
(富子)そう…動画に行っちゃうのね
(なつ)はい、すいません…何だか仕上を裏切るみたいに
(富子)裏切る?あなた裏切るような力を持ってたの
(なつ)あ…いや…
(富子)まあしっかりおやりなさい。あなたがきちんといい動画を描いたらこっちできちんと仕上げてみせるから
(なつ)はいありがとうございます
(富子)その時はあなたのことをなっちゃんと呼ばせてもらうわよ
(なつ)えっそれじゃその時私もトミコーさんと呼ばせて下さい!
(富子)トミコー?
(なつ)あいや…トミさんでした
(富子)トミコーって何?トミコーって何?
こうしてなつは富子がいる仕上課を後にしたのでした。
なつぞら第65話のあらすじと感想(2019年6月14日放送)
なつは作画課に行ってしまいましたから、さすがにそれ以来は富子が登場することはなくなってしまいました。
また二作目の「わんぱく牛若丸」の制作が始まりましたから、その制作の中で富子が出てくることはあるかもしれませんよね。
ドラマとは関係ありませんが、富子がいろいろとアニメーションのことを説明してくれたおかげで、視聴者としては「なつぞら」が見やすくなったことは間違いないと思います。
そして、富子が出てくるとけっこう楽しいシーンが多かったんですよね。これからも富子の出演シーンに期待して、なつぞらを楽しみたいと思います。
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