犬の去勢にはリスクもある?関連している病気とは…

犬を飼い始めると、去勢はした方がいいのかなと思うことはないでしょうか。

アメリカでは多くの州で、保護された犬の里親になるときなど、去勢が義務付けられているようです。

ただ、去勢ってどうなんでしょうか。犬にとってはよいことなのでしょうか。そこが悩みどころです。なんとなくかわいそうな気持ちにもなるんですよね。

こんな記事がありました。

The Quietly Changing Consensus on Neutering Dogs

「犬を去勢することに関して静かに変化するコンセンサス」と訳されます。コンセンサスとは「合意」とか「意見の一致」という意味があります。

共通した認識が静かに変わっているというような意味ですよね。去勢の在り方について、疑問を投げかけているような記事なのです。

今回は犬の去勢のリスクについての記事を取り上げます。

犬の去勢にはリスクがある

日本ではどのような状態なのかはわからないのですが、記事ではアメリカの状況を伝えています。獣医も去勢をすすめているようなのです。

去勢することを犬が望むはずはありません。ですから、飼い主が飼い主の責任として行うのが犬の去勢といった位置づけになるかと思います。

でも、実は犬の去勢にはリスクもあるという研究があるようです。

ますます多くの研究が、特に若くていくつかの大きな品種では、去勢が人生の後半で特定の障害と結びついていることを示唆しています。

https://www.theatlantic.com/science/archive/2019/07/dog-neutering-health-risks-for-certain-breeds/594355/?utm_medium=offsite&utm_source=yahoo&utm_campaign=yahoo-non-hosted&yptr=yahoo

ますます多くの研究が示唆していますというのが気になりますよね。去勢が特定の障害との関連性を指摘しているのです。それはどんな病気でしょうか。

去勢がどんな病気につながるのか

私は去勢は犬を病気から守るという意味でもよいと聞いたことがありました。癌などを減らせるようなことを聞いたことがないでしょうか。

ここでは逆のことを言っています。去勢と関係のある病気とは、どんな病気なのでしょうか。記事ではこのように書かれていました。

リスクは性別、犬種、生活環境によって異なる傾向がありますが、他の研究では特定の癌、関節障害、および尿失禁と早期の去勢および避妊が関連しています。そのように、アメリカ獣医学協会(AVMA)は今言っています 獣医師のためのガイドでは、「すべての犬にふさわしい単一の推奨はありません。」

もちろん、犬の種類は多様で、すべての犬に同じことが言えるわけではありません。ですが、次のような病気の関連が認められるようです。

  • 関節障害
  • 尿失禁

これらが去勢と関連があると言います。ただ、「早期」のということなんですよね。早い時期に去勢をすると、よくないということなのでしょう。

たしかに私は動物はやっぱり野生のままが一番健康的なんだろうと感じるのです。食料が安定しないような問題はありますが、人間の手で動物の体に変化を与えることは何か影響があってもおかしくないと思います。

社会は犬の健康を考えてはいない?

犬の保護施設から犬を受け取るときにアメリカでは去勢が義務付けられて、虐待防止の団体でも、去勢することを奨励していると言います。

癌の予防や行動の変化、それから子宮の感染症など、たしかに去勢するメリットはあるのです。ただ、その裏にはいくつかの犬の病気に関するリスクがあると言うわけです。

記事では「犬全体の福祉と個々の犬のリスクに対する懸念をどのようにバランスさせるのですか」と問いかけています。

そうなんです。この問題は、犬と人間のかかわりなど、社会の一員としての犬の去勢と、一匹の犬としての去勢のバランスなんですね。どっちのリスクを排除するべきかですよね。

小型犬には去勢のリスクは少ない

アメリカの研究者のハートという人が35種の犬の去勢のリスクについて調べたそうです。

ラブラドールレトリバーとジャーマンシェパードについての2つのフォローアップ論文を発表しました。また、早期の去勢と去勢の後には、関節障害のリスクの上昇を見いだしますが、ガンのリスクは見いだしません。そして彼らは35種の犬種と混合種についての別の研究を終えたところです。Hart氏によると、癌や関節障害のリスクは品種や性別によって大きく異なると思われますが、小型犬では一般的に早期去勢の影響が少ないとのことです。

この話によると、小型犬では去勢のリスクは少ないと言えるようです。ラブラドールレトリバーなど、大型犬では間接障害のリスクがあるようです。

私が公園に行ったり、道を歩いたりして見かける散歩をしている犬はだいたい小型犬なんですよね。日本ではアメリカに比べると、小型犬が多いと言えます。

その点では、ここで言う去勢による病気のリスクは少ない犬が多いと言えます。

ホルモンの変化から肥満にも影響

飼い主にとっては、犬の肥満が気になることもありますよね。これも去勢が関係していることがあるようです。去勢すると、ホルモンバランスが変わります。

去勢後は、必要なカロリーが減りますが、それでも同じようにえさを与えていると、余分なカロリーが増えて肥満になるそうです。

これはえさを与える飼い主がどうにかできる問題ではありますよね。

このニュースで覚えておくこと

犬は自分で選べないわけだから、人間がきちんと知識を得て判断することが何事にも大事!