【なつぞら】大杉社長(角野卓造)がなつの人生を決めた!?出演シーンをまとめました
なつぞらの登場人物で気になる人と言えば、大杉社長ではないでしょうか。
東洋動画の親会社、東洋映画の社長です。「あなた」のことを「アータ」という人と言った方がわかりやすいかもしれません。
NHKの公式ページによると、大杉社長を次のように紹介しています。
アニメーションに未来を感じ、東洋一のアニメスタジオを設立、日本初の長編アニメーション制作に取り組む。
https://www.nhk.or.jp/natsuzora/cast/index.html
こうして見ると、すごく大きなことを目指している社長ですね。「渡る世間は鬼ばかり」でもおなじみの角野卓造さんが演じています。
なつが東洋動画に入れるかどうかというときにキーマンとなっていたのが大杉社長でした。それだけではありません。
もっと前、最初に「なつぞら」に大杉社長が登場したのは、なつがまだ北海道にいるときでした。
今回は大杉社長のこれまでの出演シーンを、なつの東洋動画への挑戦とともに振り返ってみたいと思います。
大杉社長となつの最初の出会いは帯広で
大杉社長が「なつぞら」に最初に登場したのは、なつが天陽と一緒にディズニーの映画を帯広の映画館で見た時のことでした。第33話のことです。
このとき、なつは映画を見ながら、夏に東京で会ったアニメーターの仲努の言葉を思い出します。
「アニメーションは動きが命なんだよ。絵に命を吹き込むことなんだ。ちゃんと勉強すればアニメーターになれると思うな」
漫画映画を見ながら、この言葉を思い出していました。そして、映画が終わって、宣伝のような映像が流れます。それは東洋動画の宣伝でした。
スクリーンで大杉社長が次のように話しています。
皆様日本で初めての総天然色長編漫画映画を我が東洋の手によって作りたいと、この度新しい映画スタジオが完成しました
皆さんご承知のごとく、漫画映画は一般の映画と比較いたしまして多分に国際性を持っております
そこで私どもは、立派な漫画映画を作りまして広く世界に進出いたしたいと考え、我が東洋動画は日本ではもちろん、世界でも珍しい最新式のスタジオを作りました
早速制作に着手いたしました
その第1回の作品は中国の有名な昔話を題材とした『白蛇姫』でございます
どうか皆様の絶大なるご支援を頂きますようお願い申し上げます
それとともにもし志のある若い人がいましたら、是非とも世界を切り開く力になってもらいたい
我が社では広く新しい人材を求めております
どうか皆様、新しい東洋動画をよろしくお願い申し上げます
なつはこの大杉社長の言葉で人生が決まったと言っても過言ではないかもしれません。
たとえ、仲と会って影響を受けていたとしても、この高校3年生の冬という進路を決める時期に大杉社長の「人材を求めている」という話を聞かなければ本気にはなれなかったでしょう。
ただ、大杉社長がなつの夢をずっと後押しするわけではありませんでした。
偶然通った大杉社長に咲太郎が…
大杉社長の言葉も聞いて、本気でアニメーターの世界を目指すことを決めたなつは、泰樹からの許しももらいます。そして春になって東京へ。
東京に行って川村屋で皿洗いの仕事をしながら、6月の東洋動画の試験を待っていました。
幸か不幸か、試験の前に大杉社長に兄の咲太郎が偶然にも会ってしまいます。咲太郎はラッキーなことだと思ったようです。
咲太郎はその前になつから、アニメーターになりたいという話を聞いていました。東洋動画を目指していることも聞いていました。おれに任せろと咲太郎はそのとき言ったのです。
咲太郎の前を通り過ぎた人物が大杉社長だと亀山蘭子から聞いた咲太郎はすぐに走り出し、社長の前に出て呼び止めます。このシーンが第47話と第48話でした。
(咲太郎)誰ですかね?東洋のスターですかね
(蘭子)バカね咲ちゃん、あれは東洋の社長よ
(咲太郎)えっ!?
(咲太郎が大杉の前に走る)
(咲太郎)失礼ですが、東洋映画社長の大杉満さんでは?
(大杉)そうだけど、アータは?
(咲太郎)あっ失礼しました!私は劇団赤い星座の奥原咲太郎です!
(大杉)劇団赤い星座?
(社員)女優の亀山蘭子がいる劇団です
(大杉)ああ、いつも脇役でいい味を出してくれているね
(咲太郎)ありがとうございます。いつもお世話になっております
(大杉)うん、お世話さま、それじゃ
(咲太郎)あっいやちょっと待って下さい!あのお願いがあるんです!
(社員)何だね君は!
(大杉)いやいや、いいよ。お願い?アータが私に?
(咲太郎)お願いというより挨拶です。あっいやというよりお願いです
(大杉)何?早くしてちょうだい
(咲太郎)すいません。あのそちらの新しく出来た東洋動画という会社に私の妹が入りたがってるんです
(大杉)アータの妹が漫画映画を?
(咲太郎)はい、奥原なつといいます。漫画映画に命を懸けています、どうぞよろしくお願いいたします!
(大杉)命を懸けなくてもいいから、試験を受けてもらわないとね
(咲太郎)もちろんそのつもりです。奥原なつは孤児院から北海道に渡って本当に苦労したやつなんです。奥原なつ、奥原なつです!どうか鶴の一声、あっいや、どうか名前だけでも覚えてやって下さい!
(大杉)アータの名は?
(咲太郎)奥原咲太郎です
(大杉)奥原咲太郎君に、奥原なつさんね。はい分かった
(咲太郎)ありがとうございます!それじゃあ?
(大杉)うん、それじゃ
(咲太郎)あっ…ありがとうございました!
咲太郎はこのあと、運が向いてきたぞと言い、よしよしよしよしと嬉しそうに言いました。これがのちに思わぬ方向に行ってしまうのです。
それは別として、このときの大杉社長の「アータ」が耳に残った人は多かったと思います。あなたのことを「アータ」と呼ぶんですよね。これがおもしろくて見ていて笑ってしまいました。
なつぞら第47話のあらすじと感想(2019年5月24日放送)
なつぞら第48話のあらすじと感想(2019年5月25日放送)
なつの面接をする大杉社長
第49話ではなつが東洋動画の試験を受けます。絵を描く試験がまずありました。馬が柵を飛び越える動画が課題でしたが、なつは以前に仲と陽平から参考になる本をもらっていたこともあり、うまく書くことができました。のちに仲がなつの絵を採点し、高評価をつけます。
問題は面接でした。面接には親会社の社長である大杉社長もいたのです。なつの面接はこんな感じでした。
(なつ)失礼します。奥原なつです。よろしくお願いします
(山川)どうぞお掛け下さい
(なつ)はい失礼します
(大杉)アータご両親はご健在かね?
(なつ)はい、本当の両親は戦争で亡くしました。だけど9つから私を育ててくれた両親は北海道にいます
(山川)いわゆる君は戦災孤児だということですか?
(なつ)はい…
(山川)それじゃあ東京には身寄りがないんですか
(なつ)9つの時から別々で暮らしていた兄が今は近くにいてくれます
(大杉)兄?奥原?奥原なつさんね
(なつ)はい
(山川)農業高校を出てるようだけど絵の勉強はどこかでされたんですか?
(なつ)いえ、絵のうまい友達から教わったぐらいです
(山川)農業高校の友達ですか?
(なつ)いえ、その人は一人で土を耕し牛飼いをしながら自分の絵を描いています。道は違っても私の目標とする人です
(大杉)アータの絵は実に面白いね、こんなに高く跳ぶ馬を初めて見たよ
(なつ)ありがとうございます。社長の宣伝もすごい面白かったです!あっ、あの帯広の映画館で見ました。あんなのはじめて見ました
(大杉)あんなの?
(なつ)あいや…すいません、つい余計なことを
(大杉)結構ですよ
(なつ)あっありがとうございます
(大杉)もう結構です
(なつ)はい、失礼します。あっ失礼しました
面接を終えたなつはため息をつきます。緊張したのと、余計なことを言ってしまったという気持ちがあったのでしょう。
それでも、その夜、なつは風車で咲太郎や亜矢美に「自信はある」と言ったのです。
なつぞら第49話のあらすじと感想(2019年5月27日放送)
大杉社長はなぜなつを落としたのか
なつは結局、面接で落とされたのでした。絵の採点をした仲や井戸原、それからほかの面接官も落とす気はなかったようです。それは大杉社長の判断でした。
なぜ落とされたのか、それは第51話でわかりました。仲と陽平が川村屋に来て話します。
(仲)正直、君の絵は悪くなかったよ
(なつ)えっ?
(仲)それで何で君が落ちたのかちょっと調べてみたんだけど…
仲がなつを落とした理由を調べたら、わかったと言うのです。
(東洋動画スタジオ所長室)
(山川)奥原なつ?
(仲)この絵を描いた子ですよ。私の評価をどうして無視したんですか?なぜ落としたのか理由を聞かせてください
(山川)ああこの子は社長の判断で落としたんだ
(仲)えっ?大杉社長が?
仲は所長室に行き、東洋動画の所長とこんなやりとりがあったようです。仲は川村屋でなつに尋ねました。信哉もそこにいました。
(仲)なっちゃんつかぬことを聞くけど、君のお兄さんは何かの党に属してる?
(なつ)えっ?
(信哉)咲太郎がですか?
(なつ)どういうことですか?
(仲)どうやら君のお兄さんが東洋の大杉社長に会ったらしいんだよ
(なつ)お兄ちゃんが?
どうやら面接の前に咲太郎が大杉社長に会ったことが問題だったようです。面接のあと、こんなやりとりがあったと言います。
(大杉)あの子はダメだ。はじいて
(山川)そうですか?この絵の動きはなかなか面白いと思いますが…
(大杉)以前あの子のお兄さんに挨拶をされてね
(山川)は?
(大杉)アータ、あの子の兄は新劇をやってるんだよ。赤い星座だよ。あそこは戦前からプロレタリア演劇の流れをくむ劇団じゃないか。しかもあんな愚連隊だか太陽族だか分からないような不良の兄がいる子を入れるわけにはいかないよ、アータ
大杉が咲太郎に会ったことが理由でなつは落とされていました。誤解だと言っても、なつの不採用は変わりませんでした。
でも、その後、9月の仕上の試験があると聞き、なつはそれに向けて頑張りました。そして、東洋動画に入ることができました。
なつぞら第51話のあらすじと感想(2019年5月29日放送)
今はもうなつのことを覚えていない!?
仕上の試験には面接もありましたが、そこに大杉社長の姿はありませんでした。
では、大杉社長の咲太郎となつに対する誤解が解けたのかというと、そうではないようです。その話は第58話に出てきます。
仲と井戸原がなつをアニメーターにできないかと所長室で露木と山川に話します。
(仲)もともと彼女は6月のアニメーターの試験に受かってたはずなんです
(井戸原)大杉社長に反対されたんだろ?
(仲)いやそれは誤解されただけですよ。身内に変な人がいるって。でもその誤解は解けたんです
(山川)解けてはいないよ。仕上に入れる時に大杉社長にお伺いを立てたけど、社長は見事にそのことを忘れていただけだ
(仲)それならそのまま忘れていてもらいましょう
誤解は解けていないけど、大杉社長が忘れていたということですね。
なつのことも忘れてしまった大杉社長はもう出てこないのかなと思っていたのですが、第66話で登場しました。
白蛇姫がヒットして2作目として「わんぱく牛若丸」の制作が決まった時、社長が激励に訪れます。
(スピーカーから「東洋行進曲」が流れる)
(茜)あっ来た!
(スピーカー)「世界に巻き起こす希望の息吹」
(大杉)や~皆さん、漫画の皆さん、ご苦労さん、ハハ。お楽にお楽に。おはようございます!日本で初めて挑んだ長編漫画映画「白蛇姫」がこの7月に公開され、大ヒットを記録しております。おかげでこの動画スタジオを立ち上げた私の面目も立ちました。株主に首を切られずに済むところであります。冗談ですから笑ってもいいですよ
(笑い声)
(大杉)これもひとえに漫画の皆さんの努力のたまものと感謝します。次回作「わんぱく牛若丸」もどうぞ頑張っていい漫画映画にしてください
(山川)はい、分かりました
(大杉)しかしアータ
(山川)はい
(大杉)ここは若い女の子もたくさんいていいね
(山川)あっはい…
(大杉がなつを見て変な顔をする)
(大杉)皆さん、お母さんは昔こんな漫画映画を作っていたんだと自分のお子さんに誇れるような立派な仕事をして下さい。ハハハハ…
動画を作る社員の前でこのように話しました。大杉社長と言えば「アータ」。今回も「アータ」は健在でした。
でも、この話を聞いたなつは怒っていました。なつは茜にこう言います。
「何ですかね、あれ!漫画の皆さんって、私らが漫画みたいじゃないですか。それにお母さん昔こんな漫画映画を作ってたって自分の子どもに誇れって何ですか?それってもうその時にアニメーターを辞めてるってことじゃないですか!」
なつは怒り心頭です。そして、もう1つ気になったのが大杉社長がなつの顔を見て、一瞬止まったところなんですよね。
なつのことを忘れたのではなく、名前を忘れていたということなのでしょうか。顔は覚えていたんだろうと思います。
なつぞら第66話のあらすじと感想(2019年6月15日放送)
大杉社長が会長になる
大杉社長が久々に登場したのが、第103話でした。このときは、お正月で東洋動画では新年会が行われていました。そこに大杉社長が現れて、社長としてあいさつをします。
(スピーカーから「東洋行進曲」が流れる)
「世界に巻き起こす」
(大杉)漫画の皆さん明けましておめでとうございます
(一同)明けましておめでとうございます
(大杉)まず皆さんにご報告したいことがあります。私大杉満は本年より東洋映画の社長を退きます。そして会長になります。従って私が社長として皆さんに挨拶するのはこれが最後となるでしょう。私はね皆さん、映画会社の社長になるとは思ってもみなかった。子どもの頃から映画活動写真の類いを見て育ったわけではありませんでしたから。私が子どもの頃から好きだったものはそろばんです。
(笑い声)
(大杉)そろばんがうまくなること、それが世の中の役に立つことになると信じて生きてきました。例えばね、いい鉄道とはどんな鉄道か分かりますか?それはたくさんの人が利用する鉄道のことです。そろばんのできる鉄道マンはいいレールいい列車をつくることだけを考えない。レールの周りに家を建て買い物のできる店を作り娯楽をつくる。つまり街をつくって人々を呼び込めなければ、いい鉄道マンとは言えないのです。皆さんには子どもたちが喜んで集まってくれる街をつくってもらいたい。どうか漫画の皆さん、いい街づくりをして下さい。ただし!予算と期日を守りながらそれを成し遂げて下さい。それでは本年もよろしくお願いいたします。乾杯
(一同)乾杯
芸術的な映画ではなく、儲かる映画を作るということを言っていて、これに坂場や神地は気に入らない様子でした。
挨拶の後は、モモッチが傘で紙風船を回す演芸をやって、大杉社長も楽しそうに見ていました。
なつぞら第103話のあらすじと感想(2019年7月29日放送)
大杉社長はなつのことを覚えていた
大杉社長と言えば、なつを面接で落とした人なんですよね。そのことを社長がおぼえていたんです。それがこの新年会のときにわかりました。
(仲)なっちゃん
(なつ)はい、あ!
(仲)こちらが猿渡君と一緒にテレビ漫画「百獣の王子サム」の原画を担当している奥原なつです
(大杉)奥原なつさんか、どうも、ご苦労さん。好調だね、テレビは
(なつ)はい、ありがとうございます
(大杉)10年前私はアメリカを視察して、いずれは日本もテレビの時代が来ると読んでいた。その時こそ、このスタジオが生きると思って造ったんだ。その時が、つきに来たのだよ、アータ。
(なつ)はい
(大杉)映画をつくる人間にはまだテレビを電気紙芝居などと言って見下している者もいるがね。必ずそんなことは言ってられなくなる。それに先駆けてテレビ漫画こそ、その電気紙芝居のパイオニアになるものだ。漫画と紙芝居だけにね…違う?
(井戸原)はい、おっしゃるとおりだと思います
(なつ)私もそう思います
(大杉)うん、頑張ってくれたまえ
(仲)彼が一緒に演出をしている坂場一久君です
(大杉)ああサカバ君か、アータもご苦労さん
(坂場)あっ…ありがとうございます
(大杉)ハハハ…じゃ奥原なつさん、奥原なつ?奥原なつ…あっ
(なつ)えっ!
(大杉)アータのお兄さん元気かね?
(なつ)あ…思い出して頂けましたか…?
(大杉)アータを面接で落とさなくてよかったよ、ハハハ
(井戸原)ハハハ…
(なつ)落としたことは忘れてるんだ…
咲太郎になつのことをお願いされたことは覚えていたようですね…。でもなつのことを面接で落としたことは忘れていて、逆に落とさなかったのだと認識したようです。
なつは社長に落とされてけっこう苦労したんですけどね。社長にとっては、なつもたくさんの社員の中の一人であるということですね。
個人的には「アータ」が久しぶりに聞けてうれしい回でした。
なつぞら第103話のあらすじと感想(2019年7月29日放送)
朝の放送のすぐ後にやる「あさイチ」に大杉社長を演じた角野卓造さんが出演した時、あの放送のころ、なんで落としたんだとたくさんの人に言われたと言っていました。
その後、なつは社内試験に受かってアニメーターになる夢が叶いました。
これからも東洋動画での仕事が「なつぞら」ではメインになっていくと思いますから、もしかしたら大杉社長がまた出るかもしれないですね。
「アータ」をまた聞けるときを楽しみにしておきたいと思います。
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